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AI絵師考察。

巷で様々な問題になっているAI絵師の件に関して、今後どうなっていくのか?本当にイラストレーターの仕事が無くなっていくのか?
イラスレーターの立場として、ちょっとだけ考えてみようと思います。


AIに関して、色々な議論がされる中、僕はあまりこの事に関しては焦りなどは感じていないんです。実は。
それは僕の仕事の範囲とは「若干」外れているからというのも、確かにあります。
と、こんな事を言うと、「渦中の人の身になれないのね!」「所詮は他人事なのね!」とバッシングを受けてしまうかと思いますが、そうじゃなくてね。まぁ、茶でも飲んで落ち着きなさいな。


■今、AI絵の権利関係の問題が色々と取り上げられています。
まだまだ出始めの技術ですから、法整備もされていませんので、このあたりが混乱するのも当たり前。
どんな問題かと言いますと・・

A・AIサービスを設置している会社に著作権がある。
B・AIを使って生成した人が著作権を主張できる。
C・AIに読み込ませた元絵の作者が著作権を持てる。

と、こんな感じ。
この中で、現状で一番可能性が高いのは、AのAIサービスを設置している会社に著作権があるというのが一番かなと思います。

様々なソースを使って一枚の絵を作り上げるのは、そのAIであるというのがその理由。
そして、著作権の他に使用権というものがありまして。
AI絵の生成者は、サービスであるAIに指示を出しただけの存在ですので、AIを設置している企業が商用利用をOKしなければ、商用利用はできないという事になります。
現に、多くのイラストAIは、プレミアムプランと称するサブスクなどで使用権を貸しております。
でもこれはあくまでも、使用権を貸し付けているだけで、著作権自体はその会社に帰属しますよ?という事。


■まだ未知数の部分ではありますが、ここでCの元絵(AIの餌とか言われてしまっている)の作者の権利は?と言いますと、多分ここは、今後きっちりと法整備されていくかなと思います。
というのも、某有名な萌え絵のAIサービスは、海外の違法アップロードイラストサイトをソースとして使っているため、このあたり、かなり問題になってくると思います。
※元々は、画像掲示板みたいな物で、色々な人がこの絵好きとWEB上に上げられた画像を持ち寄った結果、膨大なイラスト倉庫になってしまった形のサイト。


■さて、ここで、イラストの仕事がなくなるか?
というお話になりますが、答えはハッキリとNOと申します。
※漫画絵の歴史が浅く、権利関連が曖昧で、絵への理解が低い某国の企業に関してはハッキリとは言えませんが。


■企業の扱うキャラクターなどは、権利関係が非常に厳しく固められます。
そして、「なんとなくこんなコンセプト」という曖昧な雰囲気を持つAI絵が企業のコンテンツキャラになるのは、ほぼ可能性ゼロかなと思っております。
日本のアニメや漫画やゲームのキャラって、皆魅力的でしょ?
コンセプトに添わせて、試行錯誤して、しっかりと作り上げられてるからです。
曖昧なキャラデザインの面でも、権利の面でも、似た絵師の絵が出てしまって大問題になる可能性という面でも、全てにおいて、リスクしかない物を企業が使うか?というと・・・ないでしょ?

あったとしても、絵師に依頼する際に、こんな雰囲気のキャラで、もっとカチッとコンセプトに合った物にして?と、指示書と同封されて配られるくらい。
要はモックアップの時点で企業の持つキャライメージを、企業と絵師の間で意思疎通できるように持たせるためのツールとして使われるのが関の山。


■ツールとしての未来。
AIは非常に有用な技術です。
特に、アイデアを練る際に、AIにコンセプトを打ち込んでみて、何度か回してみると、「あ、そうそう、こういうイメージだよ!」という事が多々あります。
で、そのイメージを自分なりの表現方法で描き出す感じ。
ですので、イラストレーターや萌え絵師のアイデア出しの時は、非常に便利なツールとなりえます。
だって、イラストレーターや絵師が一番頭を悩ませるのは、アイデアの部分ですから。

今現在面白がってAIで絵を抽出している層というのは、元々、我々のお客さんになり得なかったような、萌え絵は好きだけど、自分で描く・絵師に依頼するほどには情熱を持てないタイプ方が大多数なのかなと僕は考えてます。
好きだったら描くし、情熱があるなら好きな絵師に依頼しますし、その価値が分かっているので、AIに絵師の癖を読み込ませるようなタブーも侵さないかと。

とにかく絵に金は出したくない。けどエロい絵は大好物で、夜な夜なWEB上を這いずり回って、エロ絵やエロ写真を食い漁っているような、生産性がまるで無いような・・・そんな人というより妖怪に近いタイプの紳士。
こいつらはぁ、やべえぞォ。まじで。
モラルも無いし、股間でしか物事を考えてねぇ!
それらの人間の出す「絵師なんかもう要らない!AIが制覇するのだ」みたいなノイズは、まあ、よくある「神の力を手に入れた愚者の言葉」みたいな物で、表現者たちは、あまり気にしない方が良いかもしれませんね。
AIの万能感で、絵の製作者と対等の立ち位置に立ったつもりが、実はその個人には何も力が無かった・・みたいなお話です。


と、軽く今思っているAI絵師の事をつらつら書いてみました。
どうなるかは正直分かりませんが、AIというものが急速発展している現在、その流れを止める事はできませんし、しないほうが、人類的な発展につながるかと思います。
僕らはその流れにそって、それを上手く使って、人間にしか作り出せない物を作っていくのが良いのかなと思います。うん。

もう毒吐かないと自分自身と約束したのに、もう毒吐いてらぁ。
ネガティブはダメね。ほーんと。
次こそはポジティブに行こう。

僕のマンガは、皆さんのご支援で成り立っています。 「オゥ、頑張って描いちょるな、いっちょおごったるわ!ガハハ」そんな方のご支援をお待ちしております。