ぶらぶら。文章を描く(4)

今日のことば

喉に水まつすぐ落ちて夏の山 小島健

暑い夏の真っ盛り、ひと遊びして家に戻ってきて麦茶を飲む。またはスイカを割って、喉を潤す。口から入ってきた水はその渇きを急速に潤いに変えて、体のなかに染み込んでくる。ふと、顔を上げると、そこはセミや虫の声が鳴り響く緑緑しい山が見守っている。
良い夏だ。

夏の山、[夏山 夏嶺 青嶺 雪渓 お花畑 夏野]
夏は山も緑に溢れ〈蒼翠として滴るが如し〉と譬(たと)えられる。近代では、山口誓子が〈七月の青嶺まぢかく溶鉱炉〉と詠んでおり、この頃から青嶺にも夏の季節が感じられ始めたようだ。雪渓やお花畑は登山とともに生まれた季語。

今日の緑。トウチク(ダイミョウチョク)。


稈は暗褐色の繊維に覆われていて、まっすぐ伸び頂部に葉をつけている。高さ5-8m、径3-5cm、節と節の間が60-80cmと日本の丈では最長、各節から3本以上の短い枝が出、枝先に3-9枚の長さ5-7cmの披針形の葉がつく。公園・緑地・工場・建物まわり等用途は広い。

美術作品の話から。
仙台市博物館で実施している「空海と高野山の至宝」を見に行った。木の彫塑として現れる仏像たちはどれもユーモアに溢れ、力強い顔をしていた。そして、仏像たちに当てられた幾つもの光が、壁に写り、それが切り絵の様になっていたのが綺麗だった。
展示会は良いのだが、博物館のなかっていうのがすごく調整された世界で、“観覧”のシステムに組み込まれたようでなかなか居心地が悪い。
ゆっくりしたかったが、人が多く見るにはシステムに組み込まれないといけない。気になる曼荼羅や仏像、屏風にの不思議な構図を(システムに組み込まれつつ)見つめ、早々と逃げ出した。、、、早朝入場に失敗した罰だろう。展覧会は朝一が良い。

そういえば、展覧会の主役である空海ー弘法大使は昔勉強したけど、全くもって記憶がない。ということで、いくつか本を読んでみたいと思い、書店へ足を向けるが、書店には本がほとんどない。amazonは1点目的買いができるけど、ぶらぶら買いが難しい。とはいえ、小さな書店では扱っていない。どちらも残念。

松浦氏の3冊目「居心地のよい旅」。
古くからその町で愛されているお店、そこで暮らす人の会話、通りの雰囲気が伝わってくる深い散歩記録のような本。章ごとに描かれたまちの様子とそれをまとめた手作り地図は、全体像が見えてくる。
引き出し線で紹介されている店々がまた興味深く行ってみたいと思わされる。
導入の文書が地図の様相を広げてくれる。素敵な本。

明日は東京へ行くので、街の様子を「居心地のよい旅」みたく書きたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?