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サエクが進化させたトーンアーム!

アナログプレーヤーのアプローチは多彩です。
ターンテーブル一つも ダイレクトドライブ、ベルトドライブ、
アイドラードライブなどなど…。カートリッジもMC、MM、光などなど… 。

それぞれの一長一短があり、どれが良いとは一概には決められません。

ではトーンアームはどうでしょう?
これも様々なタイプが存在し、目立たないけど重要な働きがあるのです。

老舗のサエクから40年ぶりの復活を遂げたトーンアーム[ WE-4700 ]に関する記事が、 JASジャーナル2023冬号に載っていますので、ご紹介します。


トーンアームとは?

トーンアームは、レコード再生においてレコード針が取り付けられる部分で、その形状には様々な種類があります。
S字型、J字型、真っ直ぐなものなどが存在し、そのどれもこれもがレコード再生を最適化するために考え出された形になっています。
トーンアームの形状が多様であることは、レコード再生において異なるアプローチがあるということです。なぜならレコードは丸いから。

丸いレコードは、1887年に開発された「グラモフォン」を起源としています。回転している丸いレコードに針を接触させながら音を拾いつつ、溝をなぞる原理は今も同じことをしています。
レコードに刻まれた音の信号を振動として捉え、これを電気信号に変えつつ、スパイラルに掘られた溝をなぞって外側から内側へと再生していくのです。その針先に掛かる力は、強過ぎず、弱過ぎず、いいバランスでレコードと接触させなければなりません。

どうでしょう。結構な無理難題を押し付けられている、トーンアームに興味が湧いてきたのではないでしょうか。

アームの形状の色々

どうしてトーンアーム方式?

再生時に考えられる理想的な方式の一つは、レコード針が半径方向に一直線に進むリニアトラッキング方式です。
しかし、この方式は機器が大きくなったり、いろいろな工夫が必要であり、高価になりがちです。

それではどうしたら再生に適した装置を作れるでしょうか。そうです!みなさんがよく目にする、トーンアームの方式になっていくわけです。

トーンアームに課せられる課題

トーンアームには3つの課題があります。
1つ目は「針先角度」で、レコード針がレコード盤の半径方向と直角に近い状態で交わるようにトーンアームを曲げる必要があります。これにはS字型やJ字型などがあります。

2つ目は「左右バランス」で、トーンアームが左右で均等にバランスする必要があります。アームパイプだけでバランスが取れない場合には、ラテラルバランスウェイトにより調整されます。左右のバランスが取れることで回転軸にかかる重さが均等になり、スムーズな回転と正確な音の信号の拾い上げが可能になります。
左右のバランスだけを考えれば針先まで真っ直ぐな形のトーンアームは最適と考えられます。

3つ目はトーンアームの回転軸方式です。テコの支点となるところの仕組みです。
水平回転方式にはベアリング方式やピボット方式、垂直回転方式にはピボット方式やナイフエッジ方式があります。

それぞれにはメリットとデメリットがあり、アームの長さやカートリッジの重さ、内側へ引っ張られる力の打ち消し方など更にたくさんの要素を考慮しながら選択する必要があります。

アームの選択は非常に多くの要素が絡む複雑な決定となります。それでも、どれが良いかを調べたり、実際に聴いてみたりすることは面白いことだと思います。

WE-4700について

サエクがトーンアームに対して最も重視しているのは、剛性と感度です。
WE-4700の特徴は、独自の「ダブルナイフエッジ機構」です。
テコの支点の作り方として、ナイフのように尖った先にアームを載せる方式をナイフエッジ機構と言います。
アームに大きな振動が伝わってきた時もアームの浮き上がりを完全に抑えられる構造がダブルナイフエッジ機構です。上下動を一直線上で捉えることにより、針先の微妙な振幅を正しく拾い上げてカートリッジのパフォーマンスをフルに引き出します。

詳しい内容は、以下のJASジャーナルへ。

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#ダブルナイフエッジ #WE-4700

JASジャーナル2023冬号はこちら

日本オーディオ協会

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