シロナガスクジラの巨大な心臓

シロナガスクジラは4つの同じ大きさの部屋で構成される、地球上で最大の心臓を持っている。この心臓は10秒ごとに、その巨大な体のあらゆる部分に酸素を送り込む。この恐竜をも凌ぐ壮大な生物は、100トンから150トンもの重量を誇り、その大きさはゾウ約340頭分、あるいは10階建てのビルの大きさに匹敵する。全長30メートルという巨体の燃料(酸素、栄養)は、重さ約180キロの心臓に頼っている。

シロナガスクジラの心臓は、均等に配置された4つの部屋で構成され、効率的に酸素を循環させ、拍動当たり220リットルの血液を巨大な体全体に送り込む。驚くべきことに、その心音はソナーで3キロ先まで探知できるが、人の可聴音域以下の低周波である。

水面にいるとき、シロナガスクジラの心臓の鼓動は通常1分間に25~35回である。それにもかかわらず、補食のために深海に潜るときには、心拍数1分間にわずか4~8回に激減する。この適応により、シロナガスクジラは極寒の深海でも、無呼吸で代謝を下げて心臓の負担を減らし血液を均等に行き渡らせることができるのだ。