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マラソンから学んだ事とは

自分は1995年3月に現役を引退してからはゴルフぐらいしか身体を動かさなくなりました。
その頃はお酒&たばことかなり不健康な身体になっていたと思います…

そして2000年のベルリンマラソンに1991年から複合チームのワックスマンをしてくれているScherubl Werner(通称ベッツィ)さんが挑戦しました。
ベッツィさんは自分と同じ歳でちょっとふっくらした体系をしているのですが、初フルマラソンを3時間22分で完走したと自慢をしてきました。

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それで自分は「お前が3時間22分なら俺は3時間切れるよ!」と言って勝負する事になりました。
日本に帰ってから出場出来る大会を探して秋に行われる「JAL千歳国際マラソン大会」に申し込みました。
それから約2ヶ月間走る練習をして大会に挑みましたが20㎞ぐらいまでしかペースを維持できず、後半は足が攣って歩いたりして結果的にベッツィのタイムには大きく負けてしまいました。

この時30㎞を過ぎて「何でカケかけなんかしてしまったんだろう…こんな辛いならもうマラソンなんかやらない」と思いながら走っていました。
そして何とか足を引きずりながらゴールにたどり着いた時には「もう2度とマラソンには参加しない」と心に誓っていました。

そしてひとシーズンが終わって雪が溶けたら、辛かった事を忘れしまい「一度でいいから3時間を切れるって言うのを証明したい!」と思うようになりました。
そして5月に開催される洞爺湖マラソンに申し込み大会に向けて約2ヶ月ちょっと引退してから久々に自分を追い込んで練習を頑張りました。

2回目のフルマラソンは約30㎞まで予定通りのペースで走る事が出来ていましたが徐々にタイムが落ちて来て、38㎞過ぎになった時にはこれ以上少しでもペースが遅くなったら3時間が切れない状況でした。

この時に「もうここまで頑張ったからいいじゃないか!疲れが残っていたから仕方がない」など言い訳をしているもう一人の自分がいました。
でもここで逃げたらこの後に何か辛いことがあったら常に逃げてしまいそうな気がしたので、言い訳を振り切って走り続けましたが本当に辛くて泣きそうになりました…そして2回目のフルマラソンのゴールが見えて時計を見た時には涙が出てきました。
サブスリー達成【2時間59分29秒】

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ゴールした時「金メダル取った時より辛かったし、言い訳に負けなくて良かった」と思いました!
そして言い訳しているもう一人の自分に勝てた喜びで思わず優勝した選手の様にゴールをしてしまいました。
マラソンは自分より早い人がたくさんいるので優勝とかは無理でも、頑張って自分に勝つ事が出来ればすごく満足できるんだと思いました。
マラソンはそれぞれ自分の目標に向かってスタートして、もし目標を達成したら「喜び!」ダメだったら「悔しさ!」があるんだと思います。

ワールドカップやオリンピックに出ていた時には相手に勝つことだけ考えていましたがマラソンのおかげで、辛くても逃げ出さない強い気持ちを持てるようになりました。

本当は3時間切ったらもう終わりにしようと思っていましたが、すっかりマラソンの魅力にはまり、2019年11月までにフルマラソンが74回ウルトラマラソン100㎞を7回も走っています(笑)

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2009年のサロマ湖100kmマラソンでは、70㎞過ぎに両足が攣ってしまい初めてマラソン大会で途中棄権をしました。
棄権をした時には「この足で残り30㎞は無理だ」と思いやめましたが、後になり「もっと我慢して走れたんじゃないか」と思いすごく後悔しました。
この後悔(悔しさ)は次のサロマ湖の大会まで引きずっていました。
そして翌年の大会でも同じ様に70㎞で足が攣ったのですが、又あの悔しさが1年続くなら歩いてでもゴールしようと思い残り30㎞を足を引きづりながらゴールを目指しました。
70㎞走った後の歩きの30㎞は辛くて何度も諦めかけましたが、何とかゴール前までたどり着いた時に沿道の地元の応援で「おかえりなさい!、良く頑張ったね!」と言うのを聞いたら思わず涙があふれ出てきました…ゴールに感極まって泣いたのはこれが初めてでした。
(下の写真は2010年なんとか歩きながらゴールしたサロマ湖100㎞です)

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今ではたくさんのマラソン大会のゲストランナーをさせて頂いたり、ランニング教室を開催したりしてランニング人生を満喫しています。
そんなマラソンで自分が気を付けていることが一つあります。
それは「つらい時こそ笑顔で!」です。
つらい時に辛い顔をしても楽になるわけでは無いし、応援している人や周りの人にマイナスなエネルギーを発してしまっている気がします。
なので自分はつらい時にも笑顔で周りにプラスのエネルギーを与えて行きたいと思っています!

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20190921札マラ試走 (1)

マラソンに自分がこんなにはまると思っていませんでしたし、このきっかけを作ってくれたチームメイトのベッツィには本当に感謝しています!
写真下は1995年3月の引退試合後の阿部家とベッツィです。

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これから何歳になっても自分の目標に向かってチャレンジしていきたいと思っています!

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