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長編執筆のために参考にした本とサイト3

このシリーズ。最近読んだものについて追加します。

映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術/シド・フィールド

読了したので追加。これは正直、この赤の巻より次の緑の巻だけ買えばよかったかなと思った……。シド・フィールドの本は内容は非常にいいのだけど、冗長で他の本やサイトでまとまっている話が反復されるので、これを最初に読むのでなければ不要かもしれない。

実践的なのはこちら。これは電子もあるが紙で買った方が良いと思う。基本的に技法書でトレーニング要素があるものは、書き込んだり、前後をパラパラ見返したりしたいので紙を勧める。このシリーズはこれだけ買えばいいのでは。非常に便利。ただし、まあまあ冗長ではある。


ビジネスパーソンのための「言語技術」超入門/ 三森ゆりか

これは小説や脚本の指南本ではない。そもそも文章をどう書けばいいのかの習得方法についての本なので、これを読んで即書ける!というものではないが、ためになる。三人称とは、視点の移動、文章の組み立て方、一文の中での情報の順番の組み立てかたなどが非常に勉強になる。こういう話を国語の授業で知りたかった……。


マナーはいらない 小説の書きかた講座/ 三浦しをん

人生の諸問題についてはだいたいしをんがエッセイで答えてくれると相場が決まっているものだが、懇切丁寧に小説の書き方まで教えてくれるとは恐れ入る。こんなにやさしく、親切で、フランクで、わかりやすく示してくれる現役の売れている作家は他にいないのでは。途中から3代目ジェイソウルブラザーズの解説本になってはいるが、小説も書けハイローにも詳しくなれてお得だと思っておこう。ちなみに、人間に興味がない者、他人の心に想像力を働かせる向きのない者は小説は書けないことが明言されていて、それは本当にそうだと思う。


小説家になって億を稼ごう/ 松岡圭祐

今最もアツい技法書。松岡圭祐の小説は特に読んでいないが、構わず技を盗もう。二章からはそもそも小説家になって億を毎年稼いでいる前提の話になってくるので、当分参考にすることはないと思うが、一章の執筆方法のプロトコルがおもしろい。「想造」という書き方が完全に公開されている。
せっかくなのでその通りに新作を書いてみている。キャラクター設定からストーリーを練るところまで進行しているが、いい感じにできそうだ。

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↑「想造」用の資料。紙なのでスマホ等触らずにやれて良い。

億を稼ぐ作家の私生活(編集との付き合い方、お金の使い方、SNSの運用方法)まで言及してあるのだが、これだけは意外と普通に創作をやる社会人のふるまい方として参考になった。SNSで私見を騒ぐなら作品に込めようと、とりあえずTwitterを整理したりなどしている。

記憶に残るキャラクターの作り方/ リンダ・シーガー

フィルムアート社様より読者モニターとしていただきました。ありがとうございます。
二次創作はキャラクターの掘り下げをあまりしなくても書けるのだけど、一次創作でどうしようかなと思っていたので参考にした。章ごとにエクササイズがあり、簡単に考えつつ読み進められる。ただ、出てくる例がアメリカ映画でかなりの割合が日本未公開(そもそも脚本段階で頓挫したらしきものまである)なので、例示されても全くわからないんだよな……。会話の例など、欧米文化の中ではウィットの効いたひねりある会話のようなのだけど、訳し方もあるのだろうが日本語で読むと「これが名セリフなのか……????」と首を捻るものが多い。直接参考にするのはかなり厳しいかもしれない。ただステレオタイプ、人種やジェンダーやセクシュアリティの問題をどうするのか、あたりは現代に書き物をするなら絶対必要な話だよなと思う。

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