動物と子どもの間に起こる奇跡 動物の本棚(7)

『動物たちはセラピストー8つの希望』『動物たちはセラピストー8つの絆』アレン&リンダ・アンダーソン著 吉田 順ー構成 姫川明月ーー画

この2冊の本には、どちらも身体や心に問題を抱えた子どもたちが動物に出会って大きく変わってゆくエピソードがそれぞれ8つずつ紹介されています。
動物たちは犬や猫だけでなく、馬、ウサギ、リャマ、ニワトリ、七面鳥、亀まで登場します。

最近は、病院に入院している子どもたちの心を癒してくれるファシリティー・ドッグがいる病院も少しずつ増えてきたようです。

たしかに、動物たちは人には決してできないような心の癒しを与えてくれます。
それはおそらく、動物たちが人間のように言葉を用いて世界を認識していないこと、動物たちには人の心がいつも丸はだかで見えていることに関係があるのだろうな、と私は思います。

特にこの本では、子どもと動物の間でしか起こりえないような奇跡的な瞬間がいくつも描かれています。

それは、もう子どもではなくなってしまった私たちが「そんなことは起こるわけがない」といつのまにか考えるようになってしまったような事です。

動物と子どもの間に起きるそういう習慣を知った時、私たちは遠い昔のどこかに置きっぱなしで忘れてしまっていた何かとても大事なものを思い出したような気になります。

16のエピソードはそれも心にしみますが、私は個人的には、10年間も心を閉ざしていた盲目の少女の心を開いてくれた七面鳥のクローイと、いじめで心を閉ざしていた少女の心を癒した馬のエリーのエピソードが特に好きです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?