![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/96566466/rectangle_large_type_2_9d3a6157d820de43578a40384efea2c4.jpeg?width=800)
【詩】願いながら。
大好きだった。
いつか、出会いには別れが来ることを分かってた。
それでも、永遠を願った。
唐突に失った朝は、胸に大きな穴ができたかと思うほどに、心が虚ろだった。
何も見たくない、聞きたくない、信じたくない、受け止めたくない。
…けれど、どんなにそう思いたくても、
目の前の全ては、紛れもない真実で。
たった一つの、この世の理を示す事実だった。
後悔も、胸を焼く痛みも、辛さも、哀しみも、寂しさも。
分かっていた。
頭では、そのことをちゃんと“理解”してた。
それなのに、心は、そのことを直視しようとしなかった。
だけど、たしかに現実を見たとき、
目の縁からは滴が溢れ、頬を伝った。
“サヨナラ”も、最後に口にした。
どこかで、ほんとは、
“もう会えない”って気づいてたから。
かたくなに、自らの感情を見ないふりしたのだ。
まるで、いま起きていることが、
最初からなかったみたいに。
向き合うのを避けて、仮面を取り繕った。
…そんなことしたって、時は戻らないのに。
願っても、願っても、叶いはしないのに。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?