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POEM

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詩的なものをまとめました。
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#感情

こころの声。

怪我なんてどこにもしてないのに 『痛いな』とそう思うとき 優しく自分を抱きしめる そっと心が壊れないように どこかで誰かのふとした言葉に いつかの誰かのふとした行動に 傷ついた心が痛みを知らせる ずっとあなたを守るように 古傷から負の感情が溢れて ジクジクとかさぶたが痛んだら 大切な誰かから絆創膏をもらう きっといつか癒やされるように 大粒の涙が矢継ぎに頬を伝うのに 心は微動だにもしないときは 氷となった感情を柔く抱きしめる きゅっと心が温まるよ

言葉の在り方

言葉とは、時に 優しく、やわらかい毛布のようであり、 鋭くて、とがった刃物のようだ。 言葉とは、時に 快く、あったかい陽だまりのようであり、 苦しく、つめたい暗やみのようだ。 言葉とは、時に 癒し、心に透きとおる薬のようであり、 傷つけ、死にさらす劇物のようだ。 言葉とは、 選び方、遣い方、表し方、捉え方が 多種多様に在る。 人それぞれ、“自分”をもっていて、 1人ひとりの蓄積した過去によって、 言葉は形成されていく。 つまり、自らが用いる言葉は 自分自身を映す『鏡

【詩】伝える難しさ。

さよならの一雫。 まだ終わらないで、と願いながら。  見たくない現実にそっとヴェールを降ろす。 すべてを偽りに変えて。 いっそ、夢でもいいから。 唇から零れ落ちた一言。 それはきっと誰かに対する想い。 言いたくて、でも言えなかった気持ち。 貴方に届く日を心待ちにしていた感情。 ありがとうの一欠片。 不器用な私からの小さな言伝て。 恥ずかしくて、しぼんでしまった言の葉。 何でもないみたいに優しい貴方へ。 たった一つのエール。 何もできない私からのせめてものメッセージ。

【詩】願いながら。

大好きだった。 いつか、出会いには別れが来ることを分かってた。  それでも、永遠を願った。 唐突に失った朝は、胸に大きな穴ができたかと思うほどに、心が虚ろだった。 何も見たくない、聞きたくない、信じたくない、受け止めたくない。 …けれど、どんなにそう思いたくても、 目の前の全ては、紛れもない真実で。 たった一つの、この世の理を示す事実だった。 後悔も、胸を焼く痛みも、辛さも、哀しみも、寂しさも。   分かっていた。 頭では、そのことをちゃんと“理解”してた。