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インターバルトレーニングがもたらす能力

陸上競技において心肺機能を効率的に高める代表的な練習法として、インターバルトレーニングというものがあります。高負荷の疾走区間と不完全休息区間とを交互に繰り返す練習で、最大酸素摂取量の向上と筋肉細胞内のミトコンドリア増大効果が期待できます。まぁ簡単に言うと、「ダッシュしたあと少しだけ休んで、まだハアハア言ってるうちにまたダッシュをする」という側から見たらアホみたいな練習です。今回はこの練習の効果をちょっと視点を変えて見てみようと思います。

インターバルと言っても疾走区間の距離・速度、休息区間の距離または時間、本数などなど、バリエーションは様々ですが、今回はオーソドックスな400m×10(r:200m)で考えます。
この練習は400mをダッシュして200mをゆっくり走るというのを連続で10セット行う練習です。想像してみてください。400mダッシュして心臓バクバクの状態で200mをゆっくり走ってもおよそ1分では呼吸は落ち着きません。酸欠で頭クラクラ、腕は痺れて、足は乳酸地獄。その状態でまたダッシュです。
この練習で得られる身体的能力は多岐に渡りますがここでは全て無視して、インターバルによって獲得できる能力が社会の中でどう活きるかについてお話しします。

インターバル後のオールアウト状態

今回私がお伝えしたいのは「とりあえず実行してみてその場で考える力」です。社会の中で働くうえでは計画性が大切なのは当然ですが、私たちが直面する課題の多くは突然にやってくることもまた事実。
例えば終業前に上司から課されるノルマや、取引先の理不尽な要望、あるいは急に休んだ同僚の業務代行、そういった類の問題に対してはその場でいくら考えたところで答えは出ません。とにかく手を動かしてみて、情報の取得及び分析作業改善を同時に進めていかなくてはなりません。これは業務の難易度の高さに加えて、精神的ダメージの大きさは言うまでもないでしょう。
この無理難題に挑戦する精神性を獲得できる方法がインターバルトレーニングです。

先ほどの例で考えてみます。400mの設定を72秒としましょう。
もし5本目で決められたタイムをギリギリクリアできたとすると、客観的に考えて6本目はタイムオーバーする可能性が高いです。が、休息区間を終え、スタートラインを超えた瞬間、とにかく72"のペースで走り出すんです。もう7本目以降とか関係ありません。
スタートラインに立ったら状況はどうあれ駆け出す。
そしてさらに凄いのが突っ込んでみると案外72"で行けてしまうということです。「とりあえず半分の200mまで行ってみる」とか「200m〜300mを思いっきり頑張る」とか色々試しているうちに10本が終わっているんです。

これは社会に出ても同じこと。「残り時間じゃ間に合わない」とか、「この作業を頑張ったところで上司のハンコがもらえなきゃ進まない」とか諸々の事情は全て無視して走りだすのです。
要するにできない理由をダラダラ並べてやることを先送りにするよりも、今できることをやるというだけの話です。それにより次の活路が見えてきます。

ランナーはこの経験を何回も何回も繰り返し行っています。正直言ってインターバルのスタートラインはトラウマものですが、この経験が必ず糧となるはずです。
もし行動力を身に付けたいと感じているならば、インターバルトレーニングを試してみてはいかがでしょうか?

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