シェア
木野山キノ
2024年3月23日 18:41
十六夜岬のクラゲの娘、三日月野原の桂男に恋をした。「あんな色男に惚れるなんて、難儀なお嬢さんだコト」これを不憫に思った満月町のうさぎどん、ご自慢の霊薬を分けて下さった。瑠璃の小瓶にしゃらしゃらと、さながら綺羅々光る金平糖。「三日月が綺麗な風のない晩、波の狭間にこれを撒きなさい。そうすれば、恋しいお方に会えますよ」「ありがとう、うさぎさん」次の三日月までの幾日は、幾星霜と過ぎていく。なに