罰ゲーム
そこから、悪さをする度に母ではなく男から殴られるようになった。
しかし、日を追うごとに様子が変わっていく。
男の機嫌次第によって、何か怒る材料がないかわざわざ探し、理不尽に怒鳴り、殴るようになった。
男が言う。
「罰ゲーーーーム」
その言葉は今でも私の心をざわつかせる。
殴る、蹴るだけに留まらず、髪の毛を掴み壁目掛けて繰り返しぶん投げられる。
ある日は、スクワット千回やれと言われ、枕を両手に持たされ、倒れると殴られ、泣きながら限界までやらされる。
夜中に急に起こされ、心臓がバクバクする中、何が何だか分からないまま怒鳴られ、殴られる。
またある日は、1日中、食事も水も一切口にさせてもらえなかった。
それらが当たり前のように日々繰り返された。
なぜ、こんな事をされなければいけないのか。
理由なんて、あってないようなものだった。
ただ、男はパチンコで負けて帰ってくると必ず、
何かしらの罰ゲームを始める。
母はそれら全てを黙認し、終いには加勢するようになった。
そして、普段の扱いも奴隷のようになっていく。
掃除、炊事、洗濯など家のことは全て妹と2人でやった。
「マッサージ」
この一言で、2〜3時間は平気でマッサージさせられる。
男がお菓子にわざと鼻くそをつけ
「食え」
とニヤニヤしながら言う。
私は食べなかったが、妹はそれを受け入れ食べる。
すると、残りをおやつを全て妹に与え私には暴言を吐く。
これを幾度となく繰り返されるが、どんな罰を与えられようと、私は断固として食べなかった。
妹は生き方が上手だったが、私は自分の気持ちに正直に行動した。
男はそれが気に入らなかったのだろう。
母も私を嫌っていた。
「お前は元旦那に似て可愛くない。顔を見るだけで腹が立つ。後ろから蹴り飛ばしたくなるわ。」
「お前は赤ちゃんの時から可愛くなかったわー。夜泣きが酷いからぶっ叩いたら余計泣くし、本当腹が立ってしょうがなかった。」
「お前の誕生日だからって何だ!誕生日って言うのはお母様、産んでくれてありがとうございますって感謝する日だぞ!」
反抗する気力すら奪われていった。
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