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地域猫活動 その18

 地域猫の話題に関心を持っていただいたことに心より感謝いたします。猫に関する不思議なことというのは、結構いろいろとあるようですが、これももしかすると、そんな不思議な話になるのかも知れません。

本格スタートでとんでもないことが

 2021年4月が、私にとって、地域猫活動の本格スタートであったことは、すでに述べたとおりです。しかし、初っ端から大変な難問に出会うこととなり、それが「感動の再会」の記事でお知らせした、妊娠したメス猫を保護し、出産までさせたことです。

2019年7月に地域猫として個体確認したアシン

 この猫の存在は、調査を開始した2019年から知っていました。白黒ハチワレのメスで、その当時の見立てでは1歳ぐらいかとも思いました。顔の白い部分が左右非対称になっているので、英語の非対称を示すアシンメトリーの言葉から、「アシン」と命名しました。このアシンは、近くの公共施設の駐車場や路上などでよく見かけることがあり、たまにうちの庭に現れることもありました。

2021年2月19日のこと

 これは大変! 偶然うちの近くの路上で2匹の繁殖行動を見てしまうことがあったんです。猫の場合、繁殖行動があったら、ほぼ100%生まれると言われていますが、残念ながらこの時点では、手術の助成金が申請できず、先手を打って対応することができませんでした。しかし、計算上4月に生まれてしまうため、新年度に入ってから大急ぎで助成金申請しても、TNRが実施できるのは、どんなに早くても4月中旬。捕まらなかったら下旬以降に、などと言っていたら生まれてしまいます。私は、「やれやれ」と思いながらも、どうすることもできなくて困っていました。

2021年3月1日のアシン

 しかし、どういうわけだかこのアシンは、飼い主のいない外猫としては非常に珍しく、人懐こくて、うちのベランダを開けてやると、中に上がり込んで来そうになることが何度もありました。この写真を撮影した時には、間違いなく妊娠していたはずなんです。

えっ、保護するって、マジかよ!

 そこで、こんな状況を知人に知らせると、「そんなに人に慣れてる母猫だったら、保護して出産させたらどうか」という提案がありました。ただこの提案には、正直なところ、私もぶっ飛びました。何しろ私の場合、前年の秋に子猫を保護したことはあるものの、自宅で成猫を飼った経験もないし、まして出産なんて! というわけで最初はとても無理だと思っていました。
 しかし、よく考えてみると、アシンはこの年度の最優先に避妊手術をするリストに入っていたこと。さらに、切羽詰まって、もしもほかの場所で出産した場合、子猫をきちんと保護できるかどうかが心配ということが、キララの子の時の教訓があるので、頭に浮かんできました。そこで、チャンスを見てアシンを保護する作戦を立てました。

この時足りなかった物を用意

 ここに至るまでには、詳しい人に聞いたり、ネットで調べたりして、着々と準備を進めていました。しかし、こんなことが本当に成功するのかどうか、まだ半信半疑だったと思います。動画でご覧ください。

 猫じいとしても、こんなことは生まれて初めての経験で、我が家で地域猫の出産に立ち会えるとは思ってもみませんでした。ただそこには、小さな小さな命が誕生するにあたり、ママ猫がたった一匹で誰に教わったわけでもなく、出産から後処理まで全部自分で行い、子猫にお乳を吸われて安堵している姿を見ると、感動の涙しかありませんでした。

これで終わりではない! ここから先が

 しかし、交配の日から数えて、きっちり65日目に生まれたなんて、まるで教科書通りのような話ですが、それはさておき、これですべてが終わったわけではありません。大切なのはここからで、子猫が順調に育ったら、今度は里親様を探す手順や方法を考えなくてはいけません。また、アシンは地域猫ですから、子育てが済んだらTNRの予定が待っています。
 そしてさらに、この年度のほかの地域猫TNRは、市役所に手術の助成金申請も済ませてありますし、すでに始まっているのです。それも並行していかなくてはいけません。

栄養をつけてね

 当たり前のことですが、子猫を育てるのはママ猫のアシンの担当です。保護してから出産するまでは、鳴いてばかりいたアシンですが、子猫が誕生してからは、鳴き声ひとつ上げることなく、夢中で子育てをしました。アシンについては、これまでに出産を経験したことがあったのかなかったのかは、まったくわかりません。

生後1日目

 子猫は、全部で5匹ですが、白っぽい毛が混じっている子が1匹で、後の4匹はそっくりなキジトラ柄でした。従って、動画の記録を何度見ても、白い毛の子が第3子というのはわかりますが、後の子は何番目に生まれたのかわかりませんでした。しかし、外観上、5匹の子猫は体格に大きな差がなく、生まれた時から大きさの違う子が混在する状態ではなかったので、その点が安心なところでした。この先のお話は、次回に続けます。

 最後まで記事をお読みいただきまして、ありがとうございました。

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