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お母さんパート2

厚生病院に着き、母の病室に向かった。数日前に病室が変わったらしい。嫌な予感。病室の扉を開けた。四人部屋だ、母の姿が見当たらない。窓際のベッドの小さくうずくまっていたのが、母だったのだ。「お母さん!僕だよ!わかる?」ふと見上げた母はかろうじて認識してくれた。あまりコミュニケーションが取れない。私は立ち尽くすしかなかった。母と好意にしてくれている。おじさんが来るのを待つしかなかった。5分後おじさんはやってきた。母は身なりを整えてくれと、おじさんにどうにか伝えていた。変わりはてた姿だったが、息子の前では気丈に振る舞いたいのだ。私は立ち尽くすしかなかった。「鳥取では元気にやってるよ。娘も大きくなって、凄くかわいいんだ」私の娘の写真。母にとっては孫の写真を見せた。「かわいいでしょ?毎日楽しいよ」母はやっと眼鏡をかけさせてもらい。見ていた。私はその病室にいれなかった。現実逃避したかった。「お母さん、明日また弟と一緒に来るね」何度か伝えたが、母の返事はなかった…そして母はつぶやいた…

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