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「助け合い」の世界をみた話

うちの店に来た常連客。
彼は人懐っこそうな人で、いつもうちに来るたびに笑顔を振り撒く。
本日も、あれとこれを注文した後、レジでお会計。

イギリスでは「コンタクトレス」と言う支払い方法が主流。カードで払うのだけど、100ポンド以下だったら4けたの暗証番号を入れなくてもピッと機械に当てるだけで支払える。たまに、本当に本人が使っているかの確認で、ランダムにカードを差し込み4桁の暗証番号を尋ねられる時があるし、100ポンド以上の支払いなら当たり前にカードを機械に差し込み4桁の番号を入れて支払いとなる。

今日のこの男性はいつものお昼ご飯を購入し支払おうとした。
ところが、ブーという嫌な音。支払できてませんという合図。やむなくカードを差し込んでもらい4桁番号を入れての支払に。しかしながら、それでも支払いできませんという嫌なサイン・・・。でもひょっとしたらうちのレジの調子が悪い可能性もある。2、3度試してみたけど、やっぱり支払えない。彼は、今日使えるカードはこの壊れたカードのみ、現金も持ち合わせていないという。

うちのレジも若干調子悪い。なかなかスキャンできなかったりお客様を待たせることがある。

まあ、一旦このレジを中止して、彼の買ったものを取り消そう。彼は顔馴染みの常連客。また次回払ってもらえばいい。こちらで値段を控えさせてもらおう。そうなると、彼の買い物は取り消し、メモるという手間が。「ちょい待ってね」と思った瞬間・・・

彼の後ろにいた男性が「あ、大丈夫だよ。今日は俺がおごるよ」と名乗り出た。彼の買い物を一緒に俺のものも支払いの中に入れてくれたら一緒に払うから・・・。若そうだけど白髪の背の高い男性。彼もまたこちらの常連客。

「よかったね。素敵な友達持ってて」って、言ったが・・・その彼はただ私たちが常連客だと思ってるだけで、彼ら同士は知り合いじゃなかった。「なんてこった!」2度びっくり。

「今日は俺が払うよ」という状況はほぼ毎日見ている。でも、他人がクリスマスや正月じゃない状況でお金に困っている目の前の人に「君の分を支払ってあげるよ」というのは、今回初めて見たかも。二人とも仕事の合間にきた常連さんなのでお互い急いでいたから、たくさんの会話を交わしたわけじゃなくその場を立ち去った。

すごいな。ほっこりする場面。助け合いの世界が来ると言われている今日この頃、「卵が高くなった」「電気代の高騰」と言われる中、こういうのを見るとさ、次は私も誰かに同じことしてみようって思うよね。

スコットランドは野蛮な国だとよく思われてるみたいだけど、全然そんなことはない。むしろ治安はいい方で困っている人をほっとかない人は多い。「今だけ金だけ自分だけ」じゃない大人が多いのがイギリス・スコットランド。こういうのを子供達も見てるんだよね。とっても紳士な対応。すごすぎた。

こういう時、本当にお金ってエネルギーなんだなと感じる。波動の高いお金の使い方を見た気がした。絶対こんな人が宝くじ当たるんだろうなっなんて、思ったのでした。笑

最後まで読んでくださってありがとうございます。


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