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スタートアップの時間は金なり

スタートアップはスピードが非常に重要で、時間は何にも増して貴重である。

ベンチャーキャピタル(VC)から資金調達をすると、ビジネスの急拡大が設定されて、期限内にある地点までゴールすることが要求される。いきなりゴールまでのタイマーが設定されるような感覚であり、安定的に事業を進めたい起業家にとっては、VCから資金調達するのは得策ではだろう。

自分のやりたい事業をやりたいペースで安定的な黒字を達成するという考えは、VC資金には向かないものとなる。そしてスタートアップは急成長のためなら、赤字を掘ることも厭わない(むしろ良し)とされる生き物なのだ。

ではなぜこのように急成長を求められるのか。こちらは資金の供給者であるVCの生態系によるところが大きい。ベンチャーキャピタルのビジネスモデルは、投資先全てが成功する(リターンを生す)ことを前提としておらず、むしろある一定の確率で成功しない(会社清算)ことを前提としている。10社の内、2~3社が大きなリターンを生み出し、その他の会社の失敗を補っても余りあるリターンを生み出し、全体としても利益を生み出すビジネスモデルになっている。

投資家であるVCとしては、そこそこの黒字を出して配当してくれることなどは期待しておらず、むしろ利益が出るようならその利益を使って更なる拡大をすべくアクセルを踏むことを期待している。もちろんVCのこのような期待値の背景には、VCに資金を供給している投資家(機関投資家や事業会社)がいて彼らにVCとしてもリターンを約束しているということがある。

ここでスタートアップとして時は金なりの理論が出てくる。

スタートアップというものは、最終的なゴールから逆算して複数のマイルストーンを設定して、期限内にゴールをクリアしていくゲームのようなもので各トールゲートを時間内に通過できなければ死が待っているという非常に厳しいものである(実際はそこまですぐに死を迎えるという訳ではないが。。。)

設立から時間が経てば経つほど、求められるトールゲートは厳しくなり、時間制限も厳しくなってくる。しっかり事業をスタートとして早めに攻めるべき市場を見つけ、PMFを図り切り次なるトールゲート突破の準備を進めて行く他ないことを分かっているものの、これがなかなか難しい。

悩みは尽きないのである。


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