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P&G ~世界最大の一般消費財メーカー~


概略

P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)はアメリカのオハイオ州に本社を置く一般消費財メーカーです。
1837年に設立され、現在ではホームケア製品や紙製品、化粧品、ヘアケア製品など多数の事業を行い、世界180ヵ国で事業展開をしています。
収益性の非常に優れた企業として知られているだけでなく、「社員の能力」が業種を超えて世界ランキング1位に選ばれるなど優れた人材輩出企業としても知られています。

P&Gの本社

保有ブランド

P&Gはリーディングブランド(カテゴリーのトップ3に入るようなブランド)を60以上保有しています。
そしてそのブランド単位でオペレーションを行っているのも特徴です。

保有ブランドは誰もが聞いたことがあるであろう「アリエール」「ボールド」「パンパース」「パンテーン」をはじめ、男性にはお馴染みの「ジレット」などもあります。
化粧品では「SK-Ⅱ」があり、まさに知っているブランドしかないというような状態ではないでしょうか。

ビジネスモデル

P&Gのビジネスモデルの最大の特徴といえば優れたマーケティングを行い、適切なターゲットに適切な商品を届けるということです。
そしてそのために以下の戦略で事業を行っています。

徹底した顧客志向

P&Gの強みの一つである徹底した顧客志向というのは「Consumer is Boss(消費者こそが我々のボス)」という理念に示されている通り常に顧客が求める商品を提供するということです。

消費者の分析と市場の理解を徹底して行い、マーケットニーズに合わせた製品を研究開発する。
そして、消費者の潜在的なニーズに訴えるマーケティングを行うという戦略を行なっています。

至極当たり前の戦略かと思うかもしれませんが、徹底的にこの姿勢を追求することで顧客を獲得し市場も開拓してきた事実があります。

ブランド戦略

P&Gのブランド戦略で注目したいのが、企業名を出さずに商品名のみをアピールする点です。

保有ブランドで述べた通りP&Gは非常に多くの有名ブランドを持っています。
ですが、CMではそのブランド名のアピールのみでP&Gという名前は出てこないと思います。
これはあえて企業名を出さない戦略にしているからなのです。

理由の1つ目は仮にいずれかの商品が炎上して不買運動が起こった時に他のP&G製品に極力影響を与えないようにするためです。
もう1つの理由はM&Aを行う場合、製品名が変わり消費者に混乱を与えないようにするためだと言われています。
リスクヘッジとM&Aに備えるために製品名のみをアピールしているのです。

各種指標

ここからはP&Gの売上高、営業利益、営業利益率を見ていきたいと思います。

売上は毎年少しずつではありますが増加しており、成熟市場である一般消費財市場においても成長している企業だと考えられます。
また、営業利益率は20%超と非常に高い数字です。
一般的に10%を超えると優良企業だといわれている中でその2倍の数字をたたき出しているのは競争力の高い商品を持ち、適切な市場戦略を行っている証拠だと考えられます。

今後、いきなり売上も営業利益もグンと上がることはないかもしれませんが、逆にガクンと下がることも考えにくい企業ではないでしょうか。
それほど私たちの生活の中に入り込んでいる企業だといえますし、日常生活に欠かせない一般消費財のメーカーは「強い」と個人的に考えています。

今後の展望とまとめ

以上のようにP&G は徹底した顧客目線で商品を開発し、優れたマーケティングを行うことで消費者の潜在的ニーズに応える企業だといえるでしょう。

P&G の戦略立案書には冒頭部分にターゲット層を明記するひな形が用意されており、最初にターゲティングをしっかり行うことが前提になっているほどです。

将来を考えてもまだまだ安泰・盤石と考えていいと思います。
化粧品やシャンプー、洗剤といった消費財は景気の良し悪しにかかわらず消費されますのでP&G のような消費財メーカーは利益を落とすことはありません。
また、日用品は毎日世界中で使用されるので、世界のマーケットで商売をすることができます。
これから発展途上国はますます人口が増えていきますし、アメリカも人口増加が予想されていますのでP&G にとっては有利にはたらくと考えています。

消費者目線で潜在的なニーズを生み出すようなマーケティング戦略を行うことで人々の生活に欠かせない存在となったP&G 。
これからも新たな市場を開拓していくことは間違いないと思います。

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