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VISA ~世界最大級の決済ネットワークを運営~


概略

VISAはアメリカのカリフォルニア州に本社を置く決済ブランドを運営する企業です。
1958年にBankAmerica(Bank of Americaの前身)が「BankAmericard」の名称でクレジットカードを発行したことから歴史は始まりました。
その後、より国際的なイメージを獲得するため現在の「VISA」に名称を変更しました。

VISAはクレジットカードはもちろんデビットカード、プリペイドカードの発行に関与し、その決済インフラは世界中で使用されています。
決済額における世界シェアは約50%以上と断トツの1位で圧倒的なブランド力を持っています。

出典:https://www.creditcardhikaku.biz/s_form/ranking/visa/

ビジネスモデル

VISAのほかにクレジットカードのブランドというと何を思い浮かべるでしょうか?
実はクレジットカードは7大国際ブランドというものがあります。
アメックスとして知られる「アメリカン・エキスプレス」や日本のブランドである「JCB」を思い浮かべる方もいるでしょう。また、国際的なブランドとしてVISAと並ぶ「Mastercard」もありますね。
他にもアメリカのブランドの「ダイナースクラブ」「ディスカバー」、中国の「銀聯カード」があり、これらが7大国際ブランドと言われています。

世界7大国際ブランド

アメリカン・エキスプレスやJCBは自社でカードを発行(プロパーカード)していますが、VISAとMastercardだけは自社で発行を行わず、決済システムを提供しています。
つまり、VISAはクレジットカード会社というよりも決済ネットワークブランドということです。
そしてその決済システムは世界中の金融機関に提供されており、200以上の国と地域で利用されるほどのシェアとなっているのです。

VISAの特徴

VISAは世界的に知名度の高いカードですが、特にアメリカ圏で非常に強い力を持っています。カナダやラテンアメリカ全土でもトップシェアを誇っています。

また、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードの発行に関与するだけでなく、スマホ・ウェアラブル端末を用いた電子決済でも影響力を持っています。
つまり、事実上全世界の電子決済市場に影響力を持っているということです。
また、電子決済の需要が高まる近年ではそのポジションはより強化されているといえるでしょう。

各種指標

ここからはVISAの売上高、営業利益、営業利益率を見ていきましょう。
特筆すべきはやはり圧倒的な営業利益率かと思います。
60%以上というのは通常だと考えられないような驚異的な数字です。
ちなみに、競合のクレジットカードブランドの営業利益率と比べてもVISAが頭一つ抜けていることがわかります。

営業利益率の比較

ではなぜクレジットカードブランドによってこれほどまでに営業利益率に差が生じるのでしょうか。
その理由の一つとして、「ネットワーク外部性」があげられます。
これはサービスの利用者が増えれば増えるほど利便性が高まり、それがさらなる利用者を呼ぶというものです。
クレジットカードブランドはまさにこの「ネットワーク外部性」がはたらきます。

VISAがあれば世界中どこのお店でも決済ができるということになれば、多くの人がVISAを持つでしょう。そうなると店舗側はVISAを入れないと顧客を獲得できないということになるためVISAを利用できるように加盟店となるのです。この循環によりVISAのような強い企業はますます強くなっていくのです。

今後の展望とまとめ

以上のようにVISAは世界的な国際ブランドとして世界の決済ネットワークを支えている企業と言えます。
また、今後も時価総額や決済取扱高も右肩上がりに成長していくと考えられます。
実際にVISAは2010年以降に時価総額を10倍以上に増やしています。
その理由は非常に単純で、私たちの生活に技術革新が起こったからです。
インターネットが普及したことでネット上での決済のためにクレジットカード利用が増えました。また、スマートフォンが普及したことで更にクレジットカード利用が増えたというわけです。
日本でさえクレジット利用額が10年で2倍になったので、世界を見ると今後はさらに利用額が増えると予想できます。

また、キャッシュレス決済の普及もVISAの成長を加速させるでしょう。

https://www.meti.go.jp/press/2022/06/20220601002/20220601002.htmlを参照し編集

年々キャッシュレス決済比率が高まっているのがわかります。
そしてこのキャッシュレス決済の多くは裏でクレジットカードと紐づいているかと思います。
例えばSuicaではオートチャージを行うためにビューカードと紐づけていたり、PayPayや楽天PayといったQRコード決済もクレジットカードと紐づけている人は多いと思います。
このように意識せずとも自然とクレジットカードの利用率は高まっているのです。

また、AmazonはもちろんNetflixなどのサービスを利用するときにはクレジット決済をしているのではないでしょうか。そして今後新たなサービスが登場した時にもおそらくクレジット決済をするでしょう。
このようにクレジットカード業界にはまだまだ成長の余地があり、それをけん引するのがVISAなのです。

決済というインフラを世界中に提供するVISA。
成長し続ける超巨大企業はどこまで大きくなるのでしょうか。期待です。


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