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連作自分語り「お呪い」


城本 苔(元こけいろ)の短歌連作「お呪い」を語っていきます。

まず一番最初の「つらくない、つらくない…」の短歌ですね。
最初は自分はつらくないんだと言い聞かせてるイメージで「つらくない」の繰り返しから作り始めました。しかし、そこで私の中に湧き上がって来たのは「ティッシュ配りのお兄さん」のイメージ。私は街中で何か配ってる人がいても多少の罪悪感を覚えながら完全無視してしまいます。
そのイメージでどれだけ「私の苦しみを受け取ってください!」と呼びかけても誰も受け取ってくれないという結構しんどい短歌ですね。
これを連作の最初に持ってこれたのは結構キャッチーで良かったんじゃないかなと思っています。

そして語りたいのは三首目の短歌。
「だいじょうぶ」の短歌ですね。私はメンタルの障害があり、福祉の方々にお世話になっています。色々あって今はもう会えなくなってしまった大好きな福祉の方を詠んだ歌です。
彼女はよく私に「だいじょうぶ!」とやさしく語りかけてくれました。いつもやさしくてあたたかくて、私はその人に会うだけで心から安心していました。
会えなくなった今でも、私は彼女のやさしい笑顔と「だいじょうぶ!」をよく思い出して心のお守りにします。

この連作は言葉は呪いにもお守りにもなるよね、という気持ちで作りました。
短歌が好きな人達は、言葉の怖さも優しさもよく知っている方が多いと思います。
よく知っているからこそ、言葉を大切にしていきたい。

誰かのお守りになれるような短歌をいつか詠みたいです。

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