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アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック / メトロポリタン美術館
耐え
勤務時間が終わり、帰ろうとして職場の電気を消して回っていたら声も立てずさめざめと泣きながら鳴らない携帯を見つめている女がいた。
もう、連絡してくるなって。
と呟いてひたすら涙を流すのを見て胸が苦しくなった。同じタイプの女であるからだろう。喚く訳でも騒ぐ訳でも荒れる訳でもなく、ただじっと耐えているのだ。なんと痛々しい。
2年ぶりに彼から連絡が来る。
元気?
返事を返せばまた便所女の日々は始まる。
沢山の聞きたい事をグッと耐えてこの爛れた関係を続けていく。昨年1度会いに行き、先週また会いにいく予定であった。
飛行機の時間、宿泊予定、会う予定の時間、色々話した挙句突然の
もう会うの辞める。であった。
理由は分からない。連絡もつかない。
8年、便所女を繰り返し最後はコレかと思うと滑稽だ。飛行機のキャンセルは効かずドブに捨てる羽目に。
思い返せばなんと薄っぺらな8年だった事か。不器用な片想い終了である。
何かで気を紛らす事が下手な私はじっと耐えるしか無い。時間をかけてゆっくり心がほぐれていくのを待つしかない。
ただ少し、noteに吐露することが出来て良かったと思う。読んでくれてありがとう。
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