大阪公立高校入試の秘密①個人報告書(評定)

いわゆる内申書、調査書のことを大阪では個人報告書という。
保護者の世代は、大阪の内申は中3だけだから、中1中2でやんちゃして勉強してなくても、中3からがんばれば大丈夫と思っている方もいるかもしれない。
しかし、すでに大阪も内申は中学校3年間記載することになっており、評定は入試で点数化される。その割合は中1:中2:中3が、1:1:3となっており、入試における内申点の割合(各高校の選択制だが)を内申:入試=5:5とした場合、中1で1割(10%)、中2で1割(10%)の点数が決まってしまう。つまり中2までの内申点で2割(20%)、5分の1の点数が持ち点となってしまう。さらに言えば、高校入試で出題される内容の70%以上が中1中2の内容であることを考えると、中3までで高校入試の半分以上は終わっていることになる。「中3からで良い」ではなく、「中3まででほぼ決まる」のだ。

では、持ち点である評定を上げるにはどうしたらいいのか?それは兎にも角にも、授業をしっかり受けて、定期テストに全力で取り組むこと、宿題や提出物など、日々の学校生活で減点を喰らわず、加点を続けることだ。昔と違って今は絶対評価なのだから、普通にやっていれば3以上、少し頑張れば4が取れる。
万が一、発熱などで定期テスを欠席しても、ほとんどの学校は見込み点をつけてくれる。また別室受験や自宅受験、後日受験した答案を提出すれば参考点として加えてくれることも多い。
ともかく子供の不利にならないような配慮をしてくれるのが、現在の学校なのでその点は安心である。
そしてもう一つ注意しておかなければならないのが、大阪府全体で行われるチャレンジテストと、大阪市がおこなっている統一テストだ。
中3生になると、定期テスト(年5回)、校内実力テスト(年5回)計10回のほかに、文科省の全国学力学習状況調査(4月)を受験しなければならない。
大阪府はこれに加えてチャレンジテスト(中3は9月、中2・中1は1月)をおこなって、評定の適正化?をおこなっている。
全国学テは数国2科(指定を受けた学校は数国理の3科)で成績に何ら関係ないが、中1チャレンジテストのみ国数英の3科で、あとのチャレンジテストと大阪市統一テストはすべて5教科である。(大阪市は中1チャレンジテストでも、チャレンジテストプラスといって理・社も独自にテストを加えて実施している。)
そしてこのチャレンジテストの校内平均点と府全体の平均点との比較で、各中学校の評定平均の範囲が決まってしまう。つまり、チャレンジテストは各中学校の団体戦なのだ。
さらに大阪市統一テストでは、得点と大阪市平均との差から、個人の評定が決まる(個人戦)。
ここでは、平常点がなく評定が芳しくない生徒でも、たった一度のテストで一発逆転が狙えるのだ。もちろんこの統一テストの点数が散々でも、評定を下げられることはまずない。
中学校としては、成績の良くない生徒は、チャレンジテストは欠席して、大阪市統一テストだけ受けてくれたらいい成績をつけられるということになる。

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