告白
「実家からお見合いの話がきたんだけど俺はもう好きな人がいるから、告白するまでの猶予をもらったんだ。」
「うん、だから?」
「手伝って欲しい。」
「嫌だ。」
「無視するよ。『月が綺麗ですね』ってあるだろ?真偽はともかく。でも今となっては月並みな表現だと思うんだ。」
「月だけにって言いたいの?」
「和訳したら月が貴方で綺麗が好きにあたるわけだけど、ここまではわかるね。」
「どっちも日本語だけど。」
「そんな些末なことはこの際どうでもいい。問題はプロポーズの言葉だ。」
「プロポーズの方がよっぽどどうでもいい。」
「 話を戻すけど、『月とスッポン』は『貴方とスッポン』という意味になる。」
「絶対ならない。」
「『俺のために毎日味噌汁を作ってくれ』なんてのもある。」
「結局何が言いたいの?」
「俺と一緒にお月見してください。貴方のために月見団子を作ります。」
「いいよ。今夜は月が綺麗だから。」
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