夢オチ

 夢を見た。 
 「君にこれをあげよう。この石を握って見た夢は正夢となる。逆にこっちの石を握って見た夢は逆夢となる。上手く使い分けると良いだろう。」
   目が覚めると枕元に逆夢の石があり、正夢の石が手の中にあった。
 取り敢えず正夢の石を握って寝てみた。
 近所のガソリンスタンドの側で百円拾う夢だった。
 目が覚めてガソリンスタンドに行ってみたら夢と全く同じ位置に百円が落ちてた。
 これは本物だと思い、次に逆夢の石を握ってみた。
 記憶力が上がってテストで高得点を取りまくる夢だった。
 目が覚めると記憶力が抜群に下がって、テストはボロボロだった。
 家に帰ると何故か石に腹が立って、その辺に投げ捨てた。
 数日経ったある日、知らない人が話しかけてきた。
 「おい君!最近夢の石使ってないだろ。たまには思い出して使ってくれよ。」
 見覚えがあるような気もしたが思い出せなかった。帰り道にガソリンスタンドの側で百円拾ったので、そちらに気を取られていた。
 家に着いて、投げ捨てた石を見つけて久しぶりに握ってみた。どっちが正夢でどっちが逆夢なのか忘れたが別に構わなかった。
 目が覚めると妙に静かで人気を感じない。家の中を探索してみると、あちこち荒らされており、両親は惨殺されていた。おそらく強盗でも入ったのだろう。


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