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飲み会に行ったらセミナーの勧誘だった話

卒業してから大学の友達との連絡がほとんどなくなった。
サークルのメンツは卒業式で軽く話してそれ以来ほぼ連絡が途絶えた。というかサークル自体あんま参加してなかったら自分のせいではあるが。

ゼミの先輩は卒業してから一回だけBBQで集まった。同級生だけだと入学時からずっと仲良かったKは時々連絡とか取ってた。

2019年の3月くらいにKと久々に飲むことになった。ついでに何人か誘おうとなったがみんな忙しそうで来たのはKともう一人Yが来た。
Yは1年生の後期くらいから少人数の講義が一緒で、その後ゼミが一緒になったので仲良かった方だ。
お互い「社会人つれえわw」みたいな話にしながら飲んだ。

8月、久々にYから「飲みたい」ってことで誘われた。
特にやることもなかったので行くことにした。
場所は水道橋、先に着いたので後楽園の場外馬券場で馬券買ったら運よく当たった+3000円くらい。
今日はいい日だなあとか思いながらYと合流し飲み屋へ。

Yは前回の飲み会の後会社を辞め、今は貯金やら失業手当やらで生活してるらしい。
「今は今後のためにいろいろ勉強しててさ、セミナーじゃないけどそうゆうのも行ったりしてんだ。」
僕は「はえ〜すっごい」と適当に相槌を打ってた。営業で鍛えた客のクソどうでもいい話を聞いてる時の相槌だ。

その後定期的に飲みの誘いが来た。
しばらくは予定が合わなかったが11月に予定が合いまた飲むことになった。
「今回はいろんな人くる予定だから、ナゾーも誰か呼んできてもいいよ!」
ごめん陰キャナゾー君そんな友達居ないよ。
でもこの時友達呼ばなくて良かった。本当に。

11月某日、新橋でYと合流した。
「みんなもう会場にいるから行こうか」
会場・・?

向かった先は4階建てのビル。1フロア1店舗入ってるようなビルだった。
「4階で受付だって」
受付・・?

4階に向かうと受付の前に20人くらい並んでた。
会費は一人1500円。安い。怖いくらい安いな。
一抹の不安を覚えながら受付を済ませる。
「Y。飲み会って言ってなかったっけ。」
「あーー一応飲み会といえば飲み会というか。セミナーの打ち上げみたいな?20人くらいだと思ってたけど100人くらいくるっぽい
えっなにそれは。そもそもセミナーってなんだよ。座談会か?

この時点で僕はマルチかネズミ講か宗教か。それとももっとやばい犯罪の集団ではないのか疑心暗鬼であった。
「ナゾーごめん!俺もここまで大人数とは思わんくてさ。」
Yもここまで多いとは思っていなかったようだ。まあ流石に大丈夫だよな・・?と一筋の希望を胸にしていた。

飲み会の内容はこうだ。
1-3階は全部行き来できて各フロアそれぞれ飲食店で好きなもの食べたり飲めたりできる。
椅子もあるけどスタンディングバーみたいな感じ。1フロアは大体12畳くらい。
2時間半くらいで解散の予定。

やっぱり会費が安すぎるだろ。なんで食べ放題飲み放題で1,500円なんだよ。裏がありまくるやん。

とはいえ逃げる訳にもいかず、Yの横で飲み会始まるのを待っていた。待ってる間Yはいろんな人に挨拶してた。

「じゃあ今日はセミナーお疲れ様でした!
セミナーきた人も、今から来た人も楽しんで飲みましょう!
セミナーで聞けかなかったこととかはじゃんじゃんこの機会に聞くのもチャンスですね!
じゃあ皆さん!グラスを持ってください!
かんぱーーーーい!!」

うわあこれはマルチですね。間違いない。なんだこれは・・・たまげたなぁ。
これはとんでもないところに連れられてきてしまった。

その後僕は会員なのか僕と同じように連れられて来たっぽい人と乾杯したり話したりしてた。
悲しいかな、営業マンなのでうわべだけの身のないトークは出来るわけで。側から見たら僕は興味あって参加してるように見られてしまった。

「Dさんは○○ですごいお世話になってる人で〜」
「Sさんは〇〇に居たんだけど今は独立して〜」
「Aさんは師匠みたいな人で〜」
おいおい地獄か。

適当な相槌で聞いてたので意欲的だと思われたのか
「君は将来とかどう考えてる?」
「馬主になりたいっすね」
「馬主ってお金持ってないとなれないんだっけ。」
「そうですね。」
「じゃあビジネスでお金を稼がないとってことだよね。なんかやりたいこととかないの」

あるわけねえだろ。とか思いながら口から出まかせでいろいろ話した気がする。
「じゃあ今度セミナーとか来なよ!きっと役立つと思うんだ。今日はいないけど○○さんがそうゆうの詳しいと思うから!」
勘弁してくれ。

「ナゾー君はさ、尊敬している人とかいないの?」
なんの意図でこれ聞かれたかわかんないけど僕は
「騎手の武豊さんですね。騎手で一番有名な人だと思うんですけど。
武豊さんってお父さんの武邦彦さんも騎手ですごい上手い人だったんですよ。
だから武豊さんもすごい期待されてて、あの武邦彦の息子がデビューだって。
でも武豊さんがすごいのは、武邦彦さんのことを【武豊の父】と呼ばせるような活躍をしたいって公言してたことなんですよ。
実際に19歳でG1っていう一番格の高いレースを勝って、その後は競馬界の主役として日本だけじゃなく世界でも活躍してるんです。
僕も父親が会社の社長やってるのですが、父を超えるような人間にはなれないなあと思ってるので。なので武豊さんを尊敬してるんです。」


「へ~そうなんだ^^;」
は?俺の豊さんへの熱い思いを語ったというのになんだその顔は。


「土日とかさ、遊んでたりするだけじゃ将来のためにならないと思うからさ。自己啓発みたいな形でセミナーとか行くのもいいと思うよ?」
は?土日は競馬で忙しいんだが。

う~んこの。
クソっスね忌憚の無い意見ってやつっス。
タフ語録ははルールで禁止スよね。

そんなこんなで時間が来てお開きになった。
Yと一緒に会場を出た。
僕はまあ安く酒飲めたしいいかと思いながら帰った。
Yからは「また今度誘うね!今度はもう少し人少ないときに誘うよ」
それって僕以外全員そっち側ってことじゃないの・・・?

しばらく誘いがあったけど適当な理由付けて断ってた
ちょうどいい感じでコロナが来てそれからは全く誘いが来なくなりました。

ふええ、もうセミナーの勧誘はこりごりだよ~~~w

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