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詩 詞

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記事一覧

もぐもぐ

おいしい笑顔を頂戴
甘ったるい蜜をかけて

ただでとは 言いません
花をたくさん差し上げます
いっぱい 運んで集めてね

あなたが一人空飛ぶ時
思い出す 頬の温もりが
わたしの両手で ありますように
あなたと日向で眠る 暮らしを

今日もわたしは
腕まくりして
ここで せっせとこしらえます

そうして出来た 日々を一緒に
もぐもぐ もぐもぐ
食べたいな
もぐもぐ もぐもぐ
食べたいな

楽しい足音

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きんもくせい

きんもくせい

金木犀の薫る頃
かえりたかった
用事があったので
流行りに礼を言い
かおりをかりて
お邪魔した
大切にはしない
多分また来年どこかで
まざる
まざる まざる
まざる   
           だろうと

つぶやき

そして、障害を持つ人や、LGBTの人々に想いを馳せた。
正直、わたしはLGBTだという感じがない、
同性愛者というのもピンとこない、ただ、自然と女の子を好きになっただけだし、そのこと自体になんの感情も湧かないのだ。
わたしは、わたしでしかない。
わたしが、バイセクシャルだから、彼女を好きになったのではなく、わたしが女の子も好きになった、というのが感覚に、近いかもしれない。でも、それはわたしがわたし

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くもり空が隠した寒さを

本をあたえてくれたのは

本をあたえてくれたのは

本をあたえてくれたのは
頭を撫でるあのひらだった
本をあたえてくれたのは
ハンドルをにぎるあの指だった
本をあたえてくれたのは
妻も同じと笑う顔で
ただ隣で静かに読むその姿で
頑固さを緩めた尊敬の意で
こちらにこいと、挑む背中
その手でなにをおかそうと
わたしが受けとったのはこの本。

雨のなか

1
己の怠惰のせいであると
生まれたうたさえ貧相であると
ぽつりとこぼす先もなし、
がなり立てる現実は、
わたしをたやすく叩き割る、
叩き割られたその“もと”は
いつ離れるともしれないが
どうにも無機物なもんで
燃えたり、腐ったりはしない
それどころか、切っ先で
所構わず、人構わず

おい、犬、わたしはもう疲れたぞ
美しい絵を見せておくれな
けれど、天使やら悪魔やら
頼む、眠るわたしを連れてくな

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きらめき

きらめき

遠い 遠い昔の夢を見て
飛び出す 僕の隣には 君がいた

遠い 遠い彼方の雨を浴びに
飛び込み はじけきらめいた その先へ

心を飛ばせ

どうしてかな やっぱり いつになってもさ
どうしてもさ もっと ずっと きっと

忘れられない 忘れたくない ものがある

それだけを抱えて 
恋い焦がれて
前へ前へ 手を伸ばす

いつまでも 届かないはずだった
絶対に 現れないと

だけど

君と抱き合った

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掛けられない言葉を鶴の形に折った
ちゃんと羽ばたく鶴である

玉石混合 創意工夫 うたはへらない
カラオケあるし。

はくびしん

はくびしん

髪を
とく
といてといてといて
すいて すいて すけて
きえて
水を浴びて 清めて
一枚の皮だけに
その皮を丁寧に
ぬぐ
ぬいで ぬいで ぬいで
そいで そいで けずって
おちて
そうして出て来たひとかけのワタシ

どうぞ
あなたにあげるから
ひとつ
つまんで上を向き
ゴクリ

一口飲み込んで

ただ、口を噤む

こころが
ふれている

どうにもならず
モチーフに
近づける

せめて
カタチは
そうあれ
とも