見出し画像

都市なきドイツ:ベルリンとミュンヘンの2つの顔

私は大学で4年間ドイツ語を学んでいたものの、資格取得までは至らず、どこか気楽な気持ちでの勉強でした。
それでも、大学4年の終わりには、辺鄙な土地でドイツ語しか通じない状況でも、全く困らない程度の語学力は身に付けていました。
(ちなみに、その後フランス夫と出会いフランス語を習得したら、なぜかドイツ語はきれいに吹っ飛んでいった…どうやら私の脳は三言語までしか対応できないようです。)

さて、そんなドイツに実は2回行ったことがあるのですが、あれ?2回だったよね?と思うくらい、ドイツの印象が薄い(笑)!
正直に言えば、私の中でのドイツの印象はあまりないのです。
だって、ドイツには「大都市」がないから、というのが率直な感想です。
もちろん、ドイツにも都市は存在しますが、意図的に「大都市」を作らないようにしているのです。
これはナチス時代の歴史に基づいていて、「一極集中」がどれほど危険で、どれだけ人々を狂わせるかを痛いほど経験してきた彼らが、政治や経済の中心を複数に分散させる政策を取っているからです。

その結果、私のような都会好きには少々物足りない印象が残ります。どこに行っても「ん?これが中心地?」という感覚で、SNS映えもしません(笑)。もちろん、これはドイツの良さでもあるのですが、正直言うと、もう少し”ヨーロッパ的”な街並みを期待していました。

ベルリンの壁:過去が今も呼吸する街


ベルリンといえば、ドイツ語の授業で何度も学ばされたベルリンの壁。これだけは絶対に避けられない歴史の一部。実際にベルリンを訪れると、その「東」と「西」の分断が未だにクッキリと感じ取れるのが本当に衝撃的だった。壁が崩壊してから数十年経っているはずなのに、周辺を歩くだけでその名残が今も強烈に残っているのが肌でわかる。まるで、向こう側はロシアだよ、と言われているような圧倒的な違和感。 ロシアには行ったことがないけれど、ロシアってこんな感じの国なのかな、というのが伝わってきました。

ベルリンの東側に入ると、時間が止まったかのような雰囲気が漂っている。同じ晴れ空なのに、西側に比べて東側は灰色がかった雲が覆っているように感じた。「タイムスリップ?」とでも言いたくなるような空気感だし、同じ都市なのに、ほんの数メートルで別の時代に踏み入れたような不思議な感覚になる。

それに、まだベルリンの壁の破片が売られていることにもびっくりした。
もちろん、中には偽物もあると聞くけれそれでもベルリンの壁の破片が今でも売られているのは何とも言えない気持ちになった。破片が売られているエリアの近くを歩くだけで、あの分断の歴史がいまだに重く空気に漂っているのが感じ取れる。東と西の格差が建物や雰囲気に色濃く残っていて、その独特な空気感は忘れられない。

ドイツ語の授業で何度も耳にしてきた「壁」。現実として目の前にあるその場所に立つと、教科書で学んだことが一気に実感として迫ってきた。歴史の教訓を目の当たりにするこの体験は、私にとってベルリンの何よりも印象に残っている。

ミュンヘンのクリスマスマーケット:華やかさと寒さの記憶


さて、ミュンヘンのクリスマスマーケット。日本でもよく旅行代理店がツアーを組んでいて、その名を耳にする人も多いでしょう。でも正直なところ、日本からわざわざ行く価値があるのかと聞かれたら、私は少し疑問に思います。

もちろん、ミュンヘンのクリスマスマーケットはドイツらしさが詰まっていて、賑やかでキラキラしている。本場のクリスマスマーケットを見ると、日本のマーケットがいかに「クリスマス風」であるかが分かる。どれだけ日本で企業努力がなされていても、本場のものには追いつかないという現実が見えてくる。

けれど、本場のクリスマスマーケットは何より寒い。ドイツの冬は本当に骨の髄まで冷え込む。
足元も危なく、私も一度、ミュンヘン駅の目の前で派手に転んで膝の肉が抉れたくらいだ。その後の世界一周旅行のせいでほぼ放置した結果、数年間もその痣が残り続けた(キャバクラのお客さんにはむちゃくちゃいじられた、、)。

クリスマスマーケット自体は華やかで楽しいけれど、正直、寒さの記憶が一番強く残っている。顔に雪が刺さって、まともに前を見て歩けないほど。地面は雪とコンクリートがぐちゃぐちゃになって、私の記憶に残るのはその汚い地面ばかりだった。ホットワインを飲みながら楽しめる友人がいなかったら、きっと一人旅ではつまらなかっただろうと思う。


まとめ

というわけで、ドイツは正直、「映える国」ではないけれど、過去を教訓にしている点では非常に強い国だと感じます。観光地としての派手さはないものの、歴史を肌で感じることができる特別な場所だと言えるでしょう。 次に行くときは、もっと寒さ対策をしっかりして挑もうと思います、涙、


ではでは、また次の冒険でお会いしましょう!
(どこか国のリクエストがあれば教えてください!)

いいなと思ったら応援しよう!