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宗教や信仰についての雑記 #57

◯心のプロセス管理

またトヨタ自動車の品質管理の話ですが、その中に「後工程はお客様」という言葉があります。
これはプロセス管理とかプロセスアプローチとか言われる考え方のことを指している言葉だそうです。

製造業ではいくつもの工程を経て製品が作られますが、プロセス管理の考え方が採用される以前の品質管理では、最終的に完成した製品を検査して、規格外の不良品をはじくという方法が採られていました。
一方プロセス管理では、最終的な検査だけでなく各工程において目標を設定し、それぞれの工程においてその目標を達成することにより、製品の品質を高めています。
つまり「後工程はお客様」とは、各工程において後工程に渡す半製品を、お客様に渡す完成品であるかのように考えることで、高い品質を実現しなさいということです。
言わば、最終的な検査で不良品をはじく、引き算の品質管理ではなく、各工程で高い品質を組み込んでゆく、足し算の品質管理です。
この方法は現在では製造業だけでなく、様々な業種や職種で採用されているそうです。

この考え方を心の平安のために使えないかと、ふとそんなことを考えました。
日々の生き方をひとつのプロセスと考え、それを管理することで今日の自分を高い品質に保ち、それを明日の自分に渡す、そんなイメージです。
ただこの場合の高い品質とは、他人を打ち負かして蹴落とし、勝ち抜いてゆくためのことではありません。
自己と他者の掛け替えのなさを深く感じ取り、日々感謝して暮らしてゆくためのものです。
言わば「魂の品質管理」です。(気障な言い方ですね😣)

ただこの考え方では明日の自分を想定していますが、そうであるならば以前の投稿(#32)で未来はないと書いていたことと矛盾してしまいます。
しかし、未来を想定することにより、不安や怒り、悔恨や哀しみなどの軛から解き放たれるならば、それもまた真であるとみなせるのではないかと、そんなふうに考えています。

こんな日々の生き方プロセス管理もまた、「言うは易し行うは難し」でなかなか思う通りにはなりませんが、僅かずつでも目指してゆきたいと思っています。

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