宗教や信仰についての雑記 #177
◯価値のアップデート
前回、我々は己の内に潜む偏狭さに警戒しなければならないと書きましたが、それについてもう少しだけ書きたいと思います。
先日の投稿(#168)で、「思考とは現実そのものを分解してそれを再構成した、言わば現実を原型としたモデルのようなものであって、現実そのものではないということだと思います。」と書きました。
そのことが上記の偏狭さに関わっているのではないか、という気がしてきました。
人が信奉する価値というものは、他の誰かが頭の中で構築したものが言語化されて伝わり、それを自分の頭の中で再構成したものでもあると思います。
ですからそれは現実(あるいは真実)に近いけれども、現実そのものではないのに、それを現実だと思い込んでしまう。そのことが、偏狭さを生んでしまうのではないでしょうか。
世界は常に動いていて、とどまることなく変わりつつあります。そのような現代の状況下においては、我々は自分の信奉する価値をアップデートすることが必要なのかもしれません。
そのためにはその価値を一度客観視する必要があると思います。その際には以前の投稿(#167)で書いた、認知デフュージョンのラベリングの手法が有効かもしれません。
「これは〇〇という価値だ」
「これは〇〇という思想だ」
といった具合にラベリングをして、一旦距離をおいて観てみるのもいいかもしれません。
知らず知らず偏狭さに陥り、気づかぬ内に誰かを傷つけ苦しめるような不善をなしている。そんな危険性が誰にでも常にあるということを、忘れないようにしたいと思います。
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