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にんげん

今日は、ちょっと心穏やかではない。
どこぞで何十匹もスズメガが発生して住人達が騒いでるのでどうにかするとか何とかと、風の便りに聞いたのだ。
ただひとりここにいる君に、人の手が届かなければいいけれど。


朝一はなかなか見つけられず、出勤車が通りがかりあわてた。
少しあとにホウキとチリトリをもって舞い戻り、しばらく眺めてやっと発見。
別の植木鉢と建物の壁の隙間からむりやり落ち葉をかきだして、フンと一緒に捨てに行く。

今日は上の方にいた。
このシモフリさんは、ちゃんと枝から枝へ移動できているようだ。

枝から枝へ

私が心配する必要はないのだろう。

ただ君は葉を食べる


もぐもぐもぐもぐ


私とて虫が怖くないことはない。
偏見もあるし、差別もするし、毎夏蚊を殺す。
目の前にチョウ目の成虫が飛んできたら叫びもする。
スズメガの蛹を触ることもできないだろう。
ただ私は、シモフリスズメに毒がないことを知っているというだけの話。

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