小説|青い目と月の湖 13
ハンスのおどおどした様子と、遠慮がちな物言いが、以前の彼の言葉に繋がった。
「まさか、彼女」
ハンスは決心するように頷いた。
「月の湖の、彼女だよ」
クロードは肘をテーブルにつき、その手で額を覆った。
「何てことだ」
「でも、変じゃなかったんでしょ?クロードが見ても、普通だったんでしょう?ほらね。彼女は普通の人なんだよ。魔女なんかじゃないんだ。みんな誤解して」
「いつから会ってるんだ」
「……去年の、冬」
クロードはあきれて顔を上げる。
「あの湖に行ったのか」
「うん