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〈小説〉青い目と月の湖

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長編小説なのでこのマガジンにまとめていきます。 とはいえ『腐った祝祭』ほど長くはないです。 魔法使いと呼ばれる男が出てきます。
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記事一覧

小説|青い目と月の湖 23

 ハンスが浮かない顔をして部屋に入ってきたので、クロードは食糧の籠を受け取りながら聞いた…

mitsuki
1時間前
1

小説|青い目と月の湖 22

 コーヒーはこの村では高価な飲み物だった。  村にコーヒー農園はなく、行商人から手に入れ…

mitsuki
6日前
7

小説|青い目と月の湖 21

 二人が帰り、夕食の準備にとりかかろうとキッチンに入ったところで、玄関のドアがノックされ…

mitsuki
7日前
7

小説|青い目と月の湖 20

 私にも素朴な疑問があると言って、マリエルが伸ばした手を、ハンスは半ば驚いて見上げた。…

mitsuki
12日前
8

小説|青い目と月の湖 19

 湖の真上の空は、珍しく透き通った青をしていた。  ちゃぽん、ちゃぽんと、時おり舟を打…

mitsuki
13日前
9

小説|青い目と月の湖 18

 ハンスの話しによれば、彼女が母親以外に出会った初めての人間がハンスだったのだ。  クロ…

mitsuki
2週間前
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小説|青い目と月の湖 17

 ノックの音でドアを開けると、ハンスが溢れ出しそうな笑顔を上に向けていた。  その頭の後ろ、少し高い位置には、マリエルのはにかんだ顔があった。  クロードはハンスに視線を戻して言った。 「どうした?」 「遊びに来たんじゃないか。来ていいって言ったでしょ、こないだ」 「そうか。忘れていた」  クロードは少しとぼけて、二人を家に招き入れた。  先日、クロードの伝言によってマリエルに会えたハンスは、配達の時にその礼を言い、マリエルをここに連れてきてもいいかと聞いたのだった。  クロ

小説|青い目と月の湖 16

 マリエルは恐れながらも、クロードの傍に近付いた。  そして、ブルーグレーのドレスが汚れ…

mitsuki
3週間前
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小説|青い目と月の湖 15

 マリエルは湖の西岸に広がるスミレの野原を歩いていた。  小さな黄色いスミレの花が咲き始…

mitsuki
3週間前
7

小説|青い目と月の湖 14

 息苦しさに、クロードは足を止めた。  クマザサやニリンソウなどの群生にたまに出くわし、…

mitsuki
3週間前
8

小説|青い目と月の湖 13

 ハンスのおどおどした様子と、遠慮がちな物言いが、以前の彼の言葉に繋がった。 「まさか、…

mitsuki
3週間前
8

小説|青い目と月の湖 12

 クロードは川岸の野原を歩いていた。  両岸に張っていた氷も、雪も、すっかり溶けていたが…

mitsuki
3週間前
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小説|青い目と月の湖 11

 ハンスはずっと少女を目で追っていた。  少女といっても、ハンスより年上なのは明らかだ。 …

mitsuki
3週間前
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小説|青い目と月の湖 10

 ハンスはいつも以上に馬を速く走らせていた。  母親には用心の為にゆっくり帰って来たと言うつもりで、急いでいた。  これほど天気のいい日と配達日が重なることは、そう滅多にないだろう。  しかも、馬を使えるのだ。  北の森に行くのに、これほど格好な日はなかった。  ハンスはクロードに行くなと言われてから、二度ばかり北の森に踏み込んでいた。  どちらも途中で引き返し、城を見るまでもなかったが、大体の方角の見当はついた。  今日は途中でどんなに不安になっても、湖まで行くつもりだ