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ようこそアリカツ(蟻の飼育活動)     ⑧ 飼育開始!クロオオアリを飼育ケースに入れる

 クロオオアリの女王を手に入れて数日経つと、女王は卵を産み始め、卵は日々増えていきます。卵は黄色い粒ですが、数日経つと順次白い幼虫に孵化します。女王アリは基本的に飲まず食わずで子育てをします。購入した女王アリの場合、多くが試験管などの小さなケースに入っており、そのままでも問題なく卵を産み続けます。最初の働きアリが活動を始めるくらいまでは試験管のままでも大丈夫ですが、成虫がまだ女王アリ一匹だけの時に、準備した瓶や飼育ケースに移した方が楽です。

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 試験管から女王蟻を出すときは、綿を抜いて、筆者は飼育ケースの低いところでトントンと管を叩いて、女王アリをそっと落とすようにしています。落ちないように女王アリも必死で抵抗しますが、傷つけないように気をつけます。卵やサナギ、幼虫も散らばって中に落ちますが、大丈夫です。試験管に残った卵なども、筆などを使って箱の中に落とします。

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 箱の中に落とされたクロオオアリの女王は、周囲の環境が変わったことに驚きながらも、床に散らばった卵や幼虫を自分で集めて回ります。女王が見落とした場合は、筆で寄せてあげます。そのうちそれらを箱の隅の1箇所に積み上げ、数日中には飼育ケースの中で一番湿度が高く、狭く暗いところを探し当てて巣に定め、子育てを再開します。下は、石膏の巣の中に女王がサナギを運び込んだところです。

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 女王が落ち着いたら、働きアリがサナギから出てくるまで、飼育ケースを安定した見やすい場所に置き、私たちは女王アリの子育ての様子を窓越しに見守ることになります。湿度は必要ですが、餌は基本的に不要です。クロオオアリの女王が自ら子育てをするのはこの時期だけですので、とても貴重な時間と言えます。一匹だけ大きな個体がいるわけですから動作が見やすく、シャッターチャンスもたくさんあると思います。女王アリは引き続き卵を産むので、産卵シーンも必見です。

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