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ようこそアリカツ(蟻の飼育活動)     ③ クロオオアリの女王アリ

 クロオオアリの飼育は、交尾後の女王アリを手に入れることから始まります。交尾後の女王アリは飼育箱の中で卵を産み、子育てをし、働きアリが生まれ、巣が成長します。地面を歩いている普通のアリを何匹入れても、巣としての成長はありません。クロオオアリの女王を手に入れる方法としては、自分で捕まえるか、購入するかの二択です。もちろん誰かに頼んでおいて、見かけたら捕まえてもらうこともできるでしょう。私は公園で女王アリを探していたら、遊んでいた子供達が面白がって協力してくれて、見つけてくれたこともあります。

 自然界のクロオオアリの新女王は当初は羽があり、同じ時期にあちこちの巣穴から一斉に飛び立ちます。そして、同じように飛び立ったオスの羽アリと空中で出会い、交尾をし、その後女王アリは地上に降りてきて羽を落とします。捕まえる場合は、このタイミングを狙います。女王が羽を落とした後、新しい巣を作ろうと、場所を探しているところを押さえるわけです。なお、オスアリは交尾後すぐに死んでしまうそうです。

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 新女王が飛び立つのは、5月中旬〜6月上旬の、雨の後などの湿度の高い晴れた日です。Twitterなどで目撃情報が出る場合もあります。交尾をすませて地上に降りた新女王アリは、主に庭や公園などの地面や草むらで、巣になる場所を探します。道路や塀の上に迷い込んだり、夜に街灯の下でたたずんでいるところを見つけたこともあります。全長2センチくらいで、お尻と肩が張った特別大きい蟻が一匹で、何かを探すようにウロウロしていたら、女王蟻の可能性が高いです。紙の上に乗せるなどして触らないようにそっと捕まえたら、濡らしたガーゼ等を入れて空気穴をあけた小さい容器に入れて2〜3日様子を見ます。一番上の写真のように、卵を産みはじめたら女王アリ確定です。下の図も参考にしてみてください。

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 購入する場合は、インターネットで検索すると出てきます。季節にもよりますが、一匹2〜5000円くらいです。今まで累計30匹ほど購入したことがありますが、到着時に死んでいた経験は今のところありません。大抵試験管のような入れ物に入って届きます。他地域から取り寄せたアリは、交雑を防ぐため、飽きたからといって外に逃したりせず、最後まで責任を持って面倒をみてあげてください。

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