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麻酔後の世界に響く声

生きていると何回か全身麻酔を受ける機会があると思います。

私には、とても印象に残っている麻酔中の記憶があります。

多分夢を見たということになります。



手術台に載っていたはずが、
そのまま周りが立ち上がり壁に囲まれた形になり、
一生懸命声を出そうとするのですが、

そこでなんだか周りから声が聞こえるのに気が付きました。

ウワンウワンといったようなぼんやりした声だけど、
なんだか妙に懐かしくて、

そして周りは薄暗いのに、
上の方には遠く光が見えて、

すごく切なくなりました。

背中が床面にピタリと張り付いて、
沈み込んでいくような体感の中、
声は聞こえ続けました。


麻酔がさめる瞬間は、
パチンと「目覚めたわー」みたいな感じだったので、
寝ぼけている時に周りの声が聞こえた、
という感じは受けなかったです。

聞こえてたにしても、えらく違って聞こえたものでした。

また体験したいかと言われるとしたくはないですが、

完全に別世界が展開するような、

あの夢か現か、とはこのことか!
という感覚は、
すごかったなー、と思います。

あの、謎の声がワンワンしてるのに、
泣きたいほど静かで、
一切人間の気配を感じない、
本当に一人ぼっちな感覚。

半分死にかけてる世界なんですかね。

いつかまた出会えてしまうんでしょうか?
あの声に。



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