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せめてこの花束を。~曲より~



拝啓
秋になりましたね。
ぎらぎらした陽がどこかへ行って
少し冷たげな顔をした秋の風が吹きます。
今日は 庭の木の剪定をしました。
伸び放題の枝にハサミを入れると
雫が落ちて まるでなみだのようで
こころがズキンと痛みました。
ごめんねって謝りました。もっと大きくなるためだからね。。。
それから。。

カラスが山に帰る頃です。
かあかあかあと鳴いて
あれは かあさんが呼んでるのでしょうか。
ちょうちょも飛んで ひそかに季節が変わっていきます。
そろそろ 信州の山の方には 沢山のヤンマや秋あかねが飛びますね。
マダラヤンマは 瑠璃色の目をしてるんです。
きれいなきれいなトンボです。
青い空をとぶのは どんなでしょう。。


すーっと風も吹きます。
横を通り過ぎて 笑いながら行くんです。
あのあたりの田んぼの稲の穂はもう 刈られてるかな。
そう
ちょっとした祭りが始まるみたいにね。

下校の子どもたちが帰ってきました。
元気な声が響きます。

お加減はいかがですか?
ざわざわとしたひとの気配
器械音のなかで あしたをひとつづつ数えて
歌ってるあなたが浮かびます。
 今さらに 辛い時 音楽が支えてくれると
信じています。

どうか
あなたにこの曲が届きますように。
束の間 苦しさを紛らわすことができますように。

西日が差す頃  時間通りくるねこに話かける声がします。
こんな時間ですね。
では またあした。
             茜色の光りが差し込む午後に。かしこ
                 



もし 心に留まって下さったら、、、本を出すと言う夢に使わせていただきます。