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服が理由で婚活をやめた話

33で婚活を始めた。有名婚活ブログを読み、「わいもここに成婚談を書くんや!キラキラ指輪をかざしてドヤ顔するやで!」と意気込んだ。

心強いアドバイザー(仲人)がいる相談所に入会した。

わかってはいたがモテ服、モテヘア、モテメイク。パーソナルカラー云々。それらは私の好みとは掛け離れていた。

出来上がった私は婚活女臭がする。これでデカい駅まで行くの?恥ずかしすぎる。

どうせならパニエばふばふにヘッドドレスにロッキンホースでキメた180近くの長身でゴスロリ着て歩く方が絶対恥ずかしくない。

今までは、ダル着や通勤には機動性と快適性を、遊びに行く時は自分がご機嫌になるもの、と決めていた。

「通勤用」「休日用」その選択肢に、更に「婚活用」という用途が必要になってしまった。

しかし収納にも金にも限界がある。

そうなりゃ自ずとどの用途の服を見てても「婚活に使いまわせるか否か」に苛まれるようになった。

従順な女さんファッションが好きならいいが、残念ながら話の好みの範疇ではない。

従順な男さんファッションも好きじゃない。だが相談所に入る真面目で誠実な男性は皆従順な男さんの出立ちとファッションである。

スーツと眼鏡に萌える属性は持ち合わせていない。ビッグブーメランをぶっ飛ばすとすれば30代半ばの相談所男性ビジネスマンなんぞ皆同じに見えてくる。

と、なればお見合いは精神を削っていった。本意でない服を着て、好みじゃない似たり寄ったりの男性と茶をしばく。ああ、しんどい。

そして半年ほどして気がつく。
お見合いから「解放」されたあと
近場のスタバで啜るフラペチーノや
居酒屋で食べる餃子とレモン酎ハイがなんと美味いことか。

最高にウマい。

そう気がついてから「アフター」目的でお見合いをするようになったが、月会費一万円でそれはないだろと思った。

退会後は気になる目元を整形し、
婚活服をフリマアプリで売り、
その金で好きなブランドの服を買い、
まつ毛パーマを毎月することで
1人でご機嫌を保っている。

それでいい。私は人に惚れにくい性分だということもわかった。初見で人の内面を引き出すのも無理だった。好みがすげぇニッチなのもわかった。

相談所の会員専用アプリ(IB◯)を実家の母に見せたら「素敵な人いっぱいいるやん!見てて最高に楽しい!!!」と花畑の少女のようにキラキラしていた。

相談所婚できるのってこんな人なんだな。(相談所婚産の子)

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