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続・台風と米騒動

続編です。まずは、下記エッセイからお読みいただくと幸いです。


 あれだけ勢力が強かった大型の台風10号が、驚くことに日本列島を横断することもなく忽然と消えた。

なんじゃらほい。

 一方、米棚から忽然と消え、一時は慌てさせた米袋だったが、どうにか2袋も手に入れることができた。
界隈では、間も無く新米が出ると噂される。

なんじゃらほい。

やっとのこと手にした2袋の米袋を目の前に、奥様が電話をかけている。

どうやら長男らしい。
「お米ある?ふ〜ん、まだあるの。でもそっちは4人家族やから直ぐに無くなっちゃうよ。今はどこにも無いよ。ウチに2袋あるんで1袋あげるから。お金?いいのよ、今度取りに来て」

次に、次男に電話をかける。
「お米は買った?買ってない?送ってあげようか?仕事が忙しいから一人で買いに行けないでしょう。
いらない?何言ってるの、今、何処にも売って無いのよ。明日、1袋送ってあげるから。待ってて」

なんじゃらほい。

「あの〜、2袋送ると、ウチのが無くなるんやけど!」

「あんた!子供にお米を食べさせへん気?えらい薄情な親やね!」

「いやあ、子供達はそんな切羽詰まった感じせえへんかったけど」

「もう直ぐ新米が出るんでしょう?
大臣が言ってたとあんた言ったじゃない。違うの?」

『おいおい、これだけ探してやっと手に入れたのに、
今度はそっちが言うんかい』

「しかし、2袋送ってやったらウチには残らんで」

「何言ってるの!あんたが明日からまた店を周れば済むことやんか。
あの様子なら、米は全く無いんとちゃうわ。少ないけど時々店に入荷してる。そこをあんたが周って行けばええんや」

「えっ!でも米見つけるまで、家にあらへんやないか」

「2、3日お米食べんでも死にはせえへんわ!」

なんじゃらほいほい!

な、なんちゅう奴や!

しかし、お腹を痛めて産んだ子供を思う母親って、いつまで経ってもこんなんか?
子供やゆうて、もうええおっさんやないかい。

感心するわ。

その点、亭主への思いやりはどこにも無いようやが、、

まあ、ええけど、、、
明日から、また米探しかいな。



今回、台風が消え安心したと思ったら、思わぬ所でまた被害が出ているらしい。

台風の名前が「サンザン」やて。

違うた。
「サンサン」やった。


座布団一枚あげてえな!



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