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富裕層とハイジ

宇宙旅行に7000万円、深海海底ツアーに3500万円かかるという。
お金に豊かな超富裕層はポンと払って行くらしい。
3500円ではない。3500万円だそうな。

 陳列された野菜を眺める。キャベツ1玉210円か。先週は190円だったような気がする。んん。文句言っても仕方ない。買う。
今晩の夕食を買うのに、2000円ある。昔ならまず、これを持ってパチコン屋に行ったもんだが、今はそんなバカなことはしない。年とって少し賢くなった。

 42億円以上の資産を持つ者が、日本に2万人いると言われている。彼らを超富裕層というらしい。
アメリカでは20万人。無いところには無いが、あるところにはあるもんだ。
それも、42万円ではない。42オク円だ。4200000000円。0の数が、5、6、7、8、、8個付く。

 宝くじは最高額があたっても10億円だから、4回当たっても超富裕層にはなれない。
 馬券の最高額が4億7千万円だから、10回取らないとなれない。
 昔、3億円強奪事件があったが、そんな額では足元にも及ばない。 え~と、14回も強奪しないといけない計算だ。考えるだけでも、超富裕層には、ちょっとなれない気がする。
というより、富裕層は富裕層ながらの苦労があるんだろうなあ、と妙に感心する。

『ちょっと、おまえ、一体何して富裕層になろうとしているの?』

ん?日本人で2万人?ということは、5千人に1人か?そんなに?
甲子園球場が満員の5万人になると、その内10人は超富裕層の人間がいるってことになるが、こんなに周りに多くいるのか?驚きだ。
六甲おろしを歌った次の日には、10人が宇宙旅行に行く事ができる計算だ。
いやいや、こちとら巨人の星の星飛雄馬時代の人間だから、超富裕層といってもピンとこなかったが、そういえばちょうど、花形満あたりが富裕層になるのか!たしかに、高校生でありながら、車に乗ってたし。
昔から、超富裕層はいたわけだが、今でもドラえもんのスネ夫や、クレヨンしんちゃんのかざま君、ちびまる子ちゃんの花輪くん、、そうか、超富裕層といって特に驚くことでもないのか。お金の豊かな人々はいくらでもいるもんなんだ。

 夏休み。200円の入場料を払い混雑した市民プールで、芋洗い状態になりながら、水浴びをしている。
それを横目に、富裕層は海底深海ツアーに参加してる。

という話をしていると、「アルプスの少女ハイジ」の絵本を見終わった6歳の孫が、私に絵本を手渡す。
そこには、
『いつも、粗末なパンとヤギのミルクしか食べていないハイジが、友達のペーターのおばあさんが、眼も見えず、歯もなく硬いパンを食べれないことを知って、おじいさんに語りかける場面がある』

「おじいさん、私達、しあわせね」

孫と一緒にキャベツを食べる。
とてもおいしい。

最高の豊かさかもしれない。

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