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薬局による要配慮個人情報の漏洩

皆さんには誰にも知られたくないことがありますか?ずっと秘密にしておきたいことがありますか?

例えば性癖。

これはアブノーマルに傾けば傾くほどに、誰にも知られたくないものですよね?似通った性癖の持ち主同士という安心感の中であれば、自分から「実は」と話すことがあるかも知れません。しかし自分の意に反して、自分の顔と名前と住まいと職業を知る顔見知りに伝えられてしまうのは嫌なことだと思います。

例えば私が、アダルトウェブショップでアダルトグッズを購入したとしましょう。おそらくショップ側は「購入したグッズを宅急便業者を含む第三者に知られるのは嫌でしょう」と察知し、箱の中身が何であるかを知られないように配慮して私に送ってきてくれると思います。その配慮がショップと顧客との信頼関係を築くことになるのだと思いますし、その信頼関係により次の購入にも繋がっていくのだと思います。そういった意味で、配慮は大切なサービスなのだと思います。

さて私にも、誰にも知られたくない秘密にしていることがあります。

私は潰瘍性大腸炎という病気を患っています。原因不明のために完治が見込めない、国が指定している難病です。この難病に詳しくなくとも、故安倍元首相が患っていた難病と言えばお分かりいただけるでしょう。第一次安倍政権を退く原因となったことが判明した時、心ない政治家やマスコミが揶揄したことが悲しくて忘れられません。私はこの病気を患っていることを秘密にしています。家族以外の誰にも知られたくありません。嫌なものは嫌なんです。

病状悪化の際には絶食をしてまでひた隠しにしてきたこのことが、或る調剤薬局の軽率な手続きにより漏れてしまいました。

私は毎月の通院時に処方箋をいただき、調剤薬局で薬を受け取っています。
今回は薬局の在庫が足りないという理由で、不足分の薬を発送していただけることになりました。

これが私が配達員から受け取った不足分です。ちょっと、いやかなり酷くないですか?

潰瘍性大腸炎治療剤のパッケージに宅急便の送り状が直貼りされているんです。こんなの、ありえませんっっっ!しかもその送り状のご依頼主が「調剤薬局」で、品名が「お薬」と記載されています。ああああああああ!

メモ紙で隠している送り状の半分は半透明で、上面に書かれている治療剤の文字が透けて見えます。

ちなみにパッケージの大きさは縦16.5cm+横23.5cm+高さ12.5cm=52.5cm、薬の小箱を一箱抜いてあるので重さは58.8g。これは宅急便規定で最小の60サイズです。

側面には、これでもかというほどに潰瘍性大腸炎治療剤という文字がデカデカと書かれています。かつ薬剤名に負けず劣らずのサイズで記載されている「注腸フォーム」の文字ですよ。注腸ですよ?チューチョー。悩ましき文字を片仮名にしてみればカンチョーに近き響きありけり!ご想像通り大腸に注ぎ込む、フォーム状の治療剤ってことですよ。大腸に注ぎ込むって、始発はどこですか?誰だってわかりますよね、肛門ですよ。肛の門。尻の穴ですよ。あーもー。なんてことをしてくれやがったか!

この文字の主張の強さは、おそらく、医師、薬剤師による薬の取り違え防止のためだと私は理解しています。なので小さく書けとか、暗号で書いとけとか、そこを突くつもりは毛頭ないんです。問題はそこじゃないんです。なんでこのパッケージに送り状を直貼りして送りつけることが出来たかな、なんです。

顔見知りである男性配達員からこの箱を手渡された時の衝撃をどう表現していいか、私には分かりません。とにかく息が止まりました。くっそ最悪です。

とにもかくにも私は薬局に電話を入れました。以下、薬局とのやり取りです。


「箱に直接住所貼り付けて送って来るんですね?」

担当者
「あ、えと、一本一本の、注腸フォームの、その概要の箱に、そのまま、あの、ヤマトの送り状を貼って、あ、そう、更に別の箱にお入れするべきなのにそのままにして、発送してしまったということで」


「この箱の状態で届くということはつまり、私が潰瘍性大腸炎を罹っていて、この薬を使って治療しているということが第三者に分かるわけですよね」

担当者
「あ、そう、そうですね。はい。そうですね。はい。」


「他の患者さんにもこういう送り方をしているってことですか」

担当者
「そうです。えと、その、お薬の、出ている処方のお薬の箱でお出しすることもあるんです」


「非常に迷惑です」

担当者
「そうですね。【配慮】に欠けてしまい大変不快な思いをさせて申し訳ございません」


「こういう送り方をするのであれば、こういう送り方をしますいいですか?と言ってくれれば、私は薬局まで取りに伺いました」

薬局の担当者は、私に対して配慮に欠けたという言葉を繰り返しました。
一体それは、誰が誰に対してする配慮のことを指しているのでしょうか?
配慮に欠けたって何でしょう?サービスが足りませんでしたってことですか?すごくもやもやします。

私はこの薬剤を、治療のために必要としている患者であり、正当な価格にて正当に購入している顧客でもあります。顧客として、出来ればきれいな無地の箱、或いは紙袋での発送をしていただきたいと思っています。しかし何もかもが物価高の、こういうご時世ですよね。ご贈答用ではない本人の治療薬に対して、梱包の経費節減をしたい、薬剤師業務の時短を図りたいと薬局が言うのであれば、その気持ちには一定の理解を示しましょう。

このパッケージを薬局のレジ袋に入れてからガムテープでぐるぐる巻きにした見苦しい状態で送りつけてきたとして、私が薬局に苦情を伝えることは無かったと思います。こういうのが配慮って言うんじゃないですかね?

薬局はアダルトウェブショップではありません。

私に対して「この病気を知られるのって、もしかして恥ずかしいですか?」って問題じゃないし、私に対して「そんなに恥ずかしいなんて気が付きませんでした」って配慮不足の問題じゃないと思うのです。パッケージに配慮する必要がある以前に、絶対的に薬局外部に渡してはならない、それが要配慮個人情報なんじゃないのですか?と私は思うのです。あなた方に課せられている守秘義務が徹底されていないのはなぜですか?と私は思うのです。

また電話のやり取りの中で、薬局が今回、私にだけたまたまこうなってしまったというわけではなく、他の患者さんに対しても出ている処方のパッケージで発送をしていたことが分かりました。守秘義務についてこの薬局は、どの程度のものだと認識しているのでしょうか。

数日後、この薬局を管理する管理薬剤師という人が私に電話をかけてきました。


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