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ものぐさの遊び③《藍の紫染め》

こんにちはものぐさ和裁師です^^

先月八月の頭には希望の薄かった藍の葉の勢いが僅かに残っていましたので、このまま枯れていくのは勿体無い!と思い、再チャレンジしたかった藍の紫染めをもう一度行うことに。

所々虫にかじられて、葉も小さくなってしまった蓼藍畑

毎日の忙殺にギリギリで予定を組み込んでいく私は私自身に呆れてきてはいますが、また来年に回そうとはどうしても思えなかったんですね(^_^;)
思いたったが吉日。というやつです💦

前回の紫染め↑↑↑は僅かに赤紫が出たので、自分の中では成功だとしたのですがこの度はもう少し良い状態を目指しました。

同様に葉を摘んできて発酵させます。

お、お、お??!

今回の染液は綺麗な青色が出てくれました!
匂いはかなりキツイです。部屋の中で行うとなかなか取れない植物の腐った臭い(^^;;
前回の若々しい香りとは全く違います。

この青から紫が抽出できるなんて!本当に面白いですよね。
前々回の生藍染め↓↓の時は若葉色の染液から水色の染色ができました。


この事からも緑を染めるのが如何に困難を極めるかへの理解が深まるところです。

染めるために絞りを施した絹地

この絞りを完成させるまでにも4〜5時間程要したので今期はそろそろ疲れてきましたよ。

先ほどの染液を煮出して染めたものがこちら↓

絞るのが大変なら解くのも大変なんです(涙)
集中しても2時間以上は掛かりました。

道楽に時間を費やせる程、良い身分ではないのですが・・・(´;Д;`)

解いて洗って乾かして完成したのがこちらです。

あら可愛いらしい♡
品のある赤紫に染まってくれました。

……実はこちら、本当の本当ーーに!古くって汚れもあってツギハギでどうしようもない生地だったんです。それを解いて洗って綺麗にしまして。

古びたアンティーク襦袢

失敗を覚悟で挑んだので選んだ素材でしたが、なかなか上手くいったので、来年は成功を目指して改良していけると思います。

体力的負担の少ない絞りの種類も増やしていけたら良いかと。

この後の変身が完了次第、追加報告noteを更新していきます

以上、ものぐさ和裁師でした。



◆牛田智 「生葉染色の化学的な観察とその実際方法-藍の生葉染めによる絹の紫染め」、染織αNo225、p64-67 (1999)
◆牛田智、谷上由香 「藍の生葉染めにおける絹の赤紫染色の条件」、日本家政学会誌、49巻、9号、p1033-1036 (1998)



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