最強の寝かしつけアイテム
こんにちはものぐさ和裁師です^^
最強の子育てアイテムについて。
皆さんは子育て必需品といえば何を思い浮かべますか?
子育て三種の神器で検索すると
食洗機・おやつ・ルンバ・義理母(わかる笑)
授乳クッション・ネムリラ…
等々候補に上がっておりました。
どれもよくわかるのですが私が切にお伝えしたいアイテムは
『ねんねこ半纏』です!!
私幾年か子育てを経験しましたが、それはそれは重宝しました。
紐が取れてしまったのを繕うついでのノート投稿となりました^^
※最後に少しだけ、仕立てについて触れています
ご要望があれば仕立て方については別で後述しますね。
子供サイズのクマちゃんがすっぽりと背中で負ぶわれております♡
主人が昔負ぶわれていたねんねこ。
大切に保管してくれていてありがとう!
寝かしつけといえばメロディが流れたりするメリー?……うちの場合はほぼ役には立ちませんでした。メリーさんよごめんなさい。
定番のエルゴ紐でゆらゆら〜も良いのですが、紐の上からでもこの上ない安心感を与え身体をすっぽりと包んでくれるのがねんねこなんです。
抱っこ紐では与えられない安心感があるんです
お母さんの背中で一緒に羽織り、身体中で温もりを感じられ、速攻で眠りに入ってしまうのが『ねんねこ半纏』です。
意外に思うかもしれませんが10キロくらいの体重の子ならば、ねんねことは別におぶい紐を付けなくても、ねんねこのみで落ちる心配は殆どありません。
着物のコートの様に内紐と外紐の2対で留めてあるだけですが、その紐があるお陰で、子供のお尻がホールドされるので寝かしつけしながら洗濯物を取り込んだりと軽い作業ができます。(※あくまで寝かしつけの最中ですので、子供が危なくない様に配慮しながら使用しています)
子供によってかなり個体差はありますが、うちの子はかなり泣く子だったので、機嫌が悪くなってしまったら『おっぱして(ねんねこ)お月様見に行こうか』と声かけすると泣きながら背中に回ってきてくれたものです。
賢い子はおんぶで育つ?などと言われますが、母親の仕事を背中で見つめるのは子供にも良い影響を与えるみたいですね。(おんぶを開始する月齢は見極めて)
ねんねこ半纏って羽織ると自分も温かいんです。
冬は綿入れされたねんねこを使いますが、通年素材としては写真のウール。
真夏には暑いと思われるかもしれませんが、寝かしつけの為だけならば羽織ってしまえば割とすぐ寝てくれますし、そのまま抱っこのポーズに移して、お布団の代わりにもなりますから、クーラーの効いた部屋だと丁度良いのです。そこは臨機応変にやってました。
なかなか上手く伝えられませんが
これがないと昼寝ができない!と感じるほど貴重なアイテムなんです。
《ねんねこの使い方》
洋服でも着物でも普段着のままで大丈夫です(*^^*)
まず子供に立ってもらって、その背後からねんねこを肩にかけてやる。そのまま自分は子供の前に座って、ねんねこに腕を通し子供と共に背負って紐を結んで準備完了。
後は我の背中を丸め、お尻をトントン撫でつつ、赤とんぼを歌えばコロリです。うちは夏でも赤とんぼでした笑
ここだけ昭和だなぁ〜と思いながらもやけに心地良いので、この気持ちはきっと子供も共有しているはずだと。
あんまり良い寝かしつけアイテムなので、数年前友人に子供が産まれた際に、御母様の昔の着物を解いて新たに仕立ててプレゼントしました。
こんなに素晴らしいものがあったにも関わらず何故使用されないのか?
何故ねんねこは作られなくなったのか?
恐らくですがねんねこはお婆さんが作ってたんですよ。孫のために。それは母親だったりするかもしれませんが、呉服屋さんで仕立て依頼するよりも、家庭で仕立てられていたんじゃないかな…ものぐさ調べですみません(^^;)
着物の衰退と共に絶滅の危機に陥ってしまったのと。
最大の難点は、『The・昭和』な見た目を嫌ってのことかもしれないですね。
どう考えても現代のキラキラママが選択するとは思えないけれど、令和のお母さんがねんねこで寝かしつけをしている様子を見ることができたら…それ以上目の保養はないかもしれません。
もしも、新しくねんねこ半纏を作るなら、お洒落で活用しやすい柄と素材で作りたいですね^^
冬は平地では『綿入れのねんねこ』を使う必要がないくらいの寒さですので、通年素材でもいけるかもしれません。
可能であれば、冬様に季節を感じる柄と素材を選んで仕立てるのもやりがいがあるでしょう。
《仕立て》
ねんねこで気を使うのは衿と紐ですね。
紐は太めで頑丈に縫い込む!
衿は子供の顔に触れてしまう箇所なので、上衿を優しい素材の物を付けて、お洗濯のやりやすいように。
・関東仕立てねんねこ。には身八つ口を作ります。内紐、外紐は付けません。
子供に羽織って負ぶって、その上から帯揚げで締める着方です。
・関西仕立てねんねこ。には身八つはありません。内紐、外紐を付けて着用します。
・袖なしマチ付きねんねこ。
袖があるものよりも、活動しやすいので、よりアクティブを目安に動くならこちら。
その他もろもろの違いはありますが、決定的に違う部分だけをあげました。ご参考までに^^
昔のもの。下駄や草履だったり日本家屋だったり、庭園だったり。
そういった古いと感じるものでも、長く大切に使われて保存されていたそれらは、そこにあったから仕方なく使用していたのではなく、長い歴史の中この土地において、広大な自然を重んじるこの国において。
調和をもたらし機能的かつ最良を目指して選択されてきたものでもあります。
その場しのぎの一発屋ではないのです。
ご要望があればお家でも簡単に仕立てられるように仕立て方を載せますね
もしもお家に眠っていたら、是非一度羽織ってみてくださいませ^^
ものぐさ和裁師でした🪡