【読書】 柏井壽さんの小説「鴨川食堂」の経営を考える
おどろくほど簡潔な小説だ。それでおもしろい。不思議だ。
味を探して欲しいという依頼者と…
二週間後に店主が「これでおうてますやろうか、間違っていたら堪忍を…」
だけの小説なのだ、
味を探しだした様子は描かれず、こうでしただけと依頼者に説明するだけ、
味探しの旅情には触れられていない。
味が見つかった依頼者のその後も描かれない。
思い切りが良いのか、くどくど感がないと言えばよいのか。
3巻目ではピアノ教師をしている30代と思われる女性の依頼だ。
彼女は世界中を飛び回っている。忙しい中、鴨川食堂に立ち寄った。
依頼は初恋の彼が作った焼きそばをさがして欲しいとの依頼だ。
今の彼と結婚するための踏ん切りをつけたいと思いを述べる。話は10年以上前にさかのぼる、ピアニストとして才能があり人気もある彼女は初恋の彼といっしょになりたくて、手にフォークを突き刺した。
そうすればピアニストを諦めて彼と一緒になれると信じて。
でも彼は逃げた。その彼がホテルの部屋で作ってくれたのが焼きそば。
そのホテルは滞在型タイプでミニキッチンが付いていた。彼への思いは今も変わらず、結婚話はうそだ。
その焼きそばは再現できた。彼女は懐かしい味を思い出した。彼の消息も分かった。そこでお終い。
知りたいですね。二人が驚きの再会を果たし、どうなるのか。
あ~、もうあたしが物語を作ってしまいたいよう。
そのピアニストの話が載っている3巻目のあたしの感覚。
(あたしは感想はかきません、みなさんにおまかせしますどすえ。
⇒やめい、へんな京都弁は…)
3巻目(鴨川食堂 いつもの)
シリーズ3を読みおえたが読了済みだった。
読みだしたら話がよみがえってきた。
娘の「こいし」には、彼とよべるかどうか微妙できになる男性がいる。
それが浩くん。たまに、あまった食材や料理でもてなす間柄。
そんなことも思い出した。再読を楽しめたから良い。
第1巻を読んだのは10年ほど前、このシリーズは面白くあきさせないが、
ふと疑問が沸いてきた。
①味を探す2週間の間、店の営業は?
②毎回おまかせのよだれが出る小鉢料理が並ぶ。
それらの食材はどこから?
③すばらしい小鉢料理、一人前だけ作るはずもないが、どうしている?
誰が食べる? 常連さん? いつもひまそうなんだが。
④ものすごく美味しい小鉢料理が並ぶが、常連さんだけを相手に、
これだけの料理を毎日準備しているの?
⑤たいしたお酒はおまへんが…てなこと言うが、品揃えがさえる日本酒や
ワイン。その目利きはどこから。どこから、どうやって仕入れるの?
⑥急に依頼者が扉をあける。(訪ねてくる)
店主の流はお腹の具合はどんなでっしゃろと聞く。
すぐ準備しますさかいと言って10から20分でお出しする。感じ。
下ごしらいも大変そうな料理、④の疑問に通じるが、そんなすぐに
だせるのかいな? 他にお客様はいそうもない。
⑦普段の営業ではカレーライスとかも出しているとの話もあったが、
利益がでるほどに客はきているのか?
⑧味を探す旅と普段の食堂の営業は両立しているのか?
⑨味探し、お支払いはお任せ。依頼者はいくらぐらい振込むの?
これらが気になってしまったのです。
ま、どうでも良いか。
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