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8/28(月) 日記

今日は12時から喫茶店で接客の仕事。

喫茶店。

63歳の喫茶店歴35年くらいの
コーヒーバリバリのバリスタのおじちゃんD氏
とツーオペだ。

喫茶店や自分の好きなことに時間を使っていたら、結婚を忘れてしまって、
独身で63歳になってしまったDさん

よっぽど、暗記が苦手なんだろうな。

きっとそういうことではないというのは知ってる。

Dさんに会いにお客さんが来る。
常連さんもDさんの雰囲気がなんとなく居心地が良いのだろう。

ほっぺたが赤く、
白髪混じりで、短髪だった髪が伸びてふわっとしている形。
ふっくらとしたボディ。

和製サンタクロース。

ちゃっかり胴体から手と足が生えている。

ちゃっかりしてる。

約1年ほど前、バイトの初日、
お店で仕事の勝手を教わろうとする僕に、
まず美味い立ち食い寿司を食わせてくれた。
うれしい思い出だ。

こいつは、きっと
20〜30分立っているということが好きだろうと思ったのかな。

それとも、寿司が嫌いな奴はいねぇ思ったのかな。

Dさんは、尊敬されるべきで愛すべき人である。

今日も、カウンターで常連のおじさんと
コーヒー談義をしていたため、
お互い顔面が相手のつばだらけになっていた。

よっぽど談義したいのだな。

17時、
お客さんが1人だけになり、
店内で「なんでお客1人しかいないねん!くそ!」
と叫んだら、
「私がまだおんねん!」ってお客さんにクレームを入れられる可能性を瞬時に思いつき、
発言を控えることができたことが嬉しかった。
ニヤッとした。

足りない果物や野菜がないかを、冷蔵庫と会話をして
確認したりする。

店員同士、落ち着いて会話したり、
サイファーしたり、美術表現をしたりする時間だ。

Dさんはコンテンポラリーダンスでパソコンのマウスを表現した。

カーソルが動かない原因が、
マウスから出始めのコード部分の損傷であると
気づくところがすごかった。

Dさん
「お前って趣味とかあるの?」

心の声
「うわぁ、
特別なことは言えそうにないなぁ。
無難なことしか思いつかないなぁ・・母さん」

私「漫画、お笑いとか好きです!」

と、体を反った後
より分かりやすくするため、声も出した。

会話弾まないよなって思った。
スーパーボールはいつでも弾むのに・・

なんとなく、
サブカルを見ているようなタイプではないと思った。

私「Dさんは、趣味とかあるんですか?」

Dさん
「おれ音楽とか、エエロイノとか保存するやつ。」

私「保存するやつ?」

心の声
「あれ?造園とか、陶器集めとかだと思ってた」

Dさん「動画とか音楽のダウンロード。」

ん?、、う、うそやろ、、あのやつ?

私「動画のダウンロードって
合法のやつがあるんですか??」

60代男性D氏
「合法?・・いや違法でしょ」

テレビのニュースで写る
悪い人の高い機械音が聞こえた。

そういえば
この人とは、あんまりプライベートの話を
したことがなかった。
勝手にまともな人物像をあてがってすみません。

話聞く前、Dさんの趣味は9割型
宮殿巡りと睨んでいたのに。
それはなんでやねん。

〜予定してた会話〜

Dさん「おれ今度、ポルトガルに行って
明治時代初期の◯△宮殿(知らない名前の宮殿)を観に行くんだ。」


「すみません、その◯△宮殿知らなかったら、
僕頭頂部ハゲちゃいますか?」

Dさん「知らないの??
もうそれ、全身ハゲハゲよぉー!!」

かと思った。
さすがに軽快すぎると思う。

60代男性D氏は、ある時スマホで音楽や映画を
サイトでダウンロードし始めたら
止まらなくなってしまったらしい。

カウンター内の床にある
D氏のお尻が乗っている
牛乳屋さんの黄色のプラケース。

立方体の一辺だけが床に触れ、そこを視点に
一面でDの体重を支え、
キコキコ音を立てて、自分が壊れないように耐えている。

牛乳屋さんのケースに人権をあげたいと思った。

私「警察に電話します。」

60代男性D氏
「ちょちょっと待ってくれ話を聞いてくれ。」

逮捕されそうになる時、普通必死になって立つのに、
D氏は座ったままリアクションした。

コンビニ雑誌のタイトル
「60歳からの牢獄」
うん、逆にいいと思う。

 
D氏が言うに、今手元のスマホには、
300ギガのUSBの5個目を指しており、
まさに好きな音楽をダウンロード中だとのこと。

そのスマホの画面を見る。
見たことある青い棒が半分まで伸び、600MB
という文字が添えてある。

60代男性D氏
「ダウンロード難しそうな動画を
ダウンロード出来た時、
この瞬間のために、今は生きていると思えるわ。
まあ暇つぶしだわな」

Wカップで予選で負けた国のキャプテンが、
我々はもう4年後を見据えていると言っている時の眼光。

それほどはなかったが、

63歳にしては、
力強いまなこでそう言った。

心の声
「お前を豚箱にいれてな、
監獄の刑務官に頼んでな、お前を裸で仰向けに寝かせてな、ドリップしたあつあつの紅茶をお腹にかけてやる。

そしてお前は、
コーヒーにしてくれぇ!!と叫ぶしかない。」

60代男性D氏
「ほらこれが、USB4個目。」

データ保存で重要なところ以外の無駄なデザインを省いているそのステンレスのUSBは、他の尖った金属でボディを傷をつけられ、複数の跡が線として残る。
4という数字を形成していた。

4台目の4。

USBにも、人権をあげたいと思った。

D氏の方に顔をあげると、
「こりゃ驚いたという顔」で
こっちを見ている。
何か言わないと文脈がおかしくなってしまうくらいの間
僕を見つめた。

私「えっ?」

60代男性D氏
「毎月、めっちゃデビューしてるよな。」

心の声
「うっすら、さっきエロなんちゃらって言ってたよな。
エロい方面の話をしてるであってるよな。
間違ってたらやばいけど、うん、えーい!」


「最近セクシー女優全員可愛いですよね」

60代男性D氏
「おん、すごいよな。」

心の声「セーフ」

心の声
「この人エロい人なんだ。
サンタクロースもプレゼントのリボンを結ぶのと同じ回数、射精後のコンドームを結んでいたのかな。
63歳でエロいんだ。」

邪念。
慕っている人の、下ネタ言うんだっていう
最初に壊れる壁。

60代男性D氏
「最近、ドラマ的な要素が入ってるものじゃないと無理になったよなー」

世俗的なことを言うニュアンスで
オリジナルなことを言わないで欲しいなと思う時があるよね。

私「ドラマってどんなやつ見てるんですか?」

60代男性D氏
「好きなのはタイトルが義父のなんちゃらとかのやつ
全然女優が可愛くなくてもいけるんだよ」

心の声
「義父のやつだと、いける・・」

63歳独身。
邪念。
いけないいけない

強炭酸のソーダが飲みたい。
ソーダの時価がいま1000円だ。


おっもしれぇ人と思った。


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