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読書感想『羅生門』#1

多読脱却のための読書感想第二弾。
今回は『羅生門』について。最近買ったのですが、読み込むと想像より面白いことがわかりました。

本の概要

大正時代を代表する短編作家であり、近代文学を語る上で欠かせない芥川龍之介が『今昔物語集』の説話からインスピレーションをうけた“王朝物”の内の一つです。まだ無名作家だった頃に文学雑誌『帝國文学』に寄稿しました。しかし、この作品で有名なれたわけではなく、後に書かれた『鼻』を夏目漱石に評価されたことで芥川龍之介は文壇に認められます。
高校生は国語の教材として必ず習う筈なのでご存じの方も多いのでは?

あらすじ

度重なる天災によって荒れ果てた平安京、その中央に走る朱雀大路の南端に造られた羅生門の下で雨が止むのを待つ一人の男がいました。彼は主人に仕える下人でしたが、被災と復興によって混乱を極める中で暇を出され、つまりは解雇されたので路頭に迷うことになりました。財産と呼べるものは今着ている服と粗野な聖柄の刀一本のみ。飢え死にしないためには盗人になる他ないが、かといって盗みを犯す勇気は湧き出てこない。取り敢えず今日のところは二階建てのこの羅生門の二階で夜を明かそう。すっかり荒れた羅生門には死人はいる生きた人間はいまい。
下人の男は門の上階へつながる梯子をのぼりますが、ある異変に気づき二階に上がらずに様子を伺います。
誰も居ないと踏んだニ階で老婆が火を灯して女の死体の髪の毛を抜いている。それを見た途端、下人の正義感が老婆の灯した火のように燃え上がり、刀をちらつかせ老婆を脅す。しかし、少し冷静になって訳を聞くと、「ただかつらにする為に髪を抜いていた。この女は干した蛇を魚の干物と偽って売っていた。これは悪とは思えない。なぜならそうしなければ死ぬからだ。私が彼女を悪と思わんだから彼女も私を恨みはしないさ。」とまあこのように語る。
それを聞いた途端に下人には悪を許さない正義とは別の勇気が湧き、同じ論理を用いて老婆の服を奪い取る。下人はすぐに羅生門から走り去り、裸の老婆が門から探しても下人の姿はなかった。下人の行方は誰も知らない。

読書感想

『羅生門』を初めて読んだのは小学生の頃なのですが、その頃の印象は「なんかいいな〜、この雰囲気。あと羅生門の上に住みたい。」というものでした。今の私からしてもあまり理解できない感想です。読み返してもその印象は変わらないのですが、何故そのように受け取ったかを知識がある程度備わった今、分析できしてみたいと思います。 
ではまた次回、木霊トコでした。



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