アレテー1(五常の徳)(2023年の自由56)

2月7日1
ああ。教養が付くと騙される人減るからか
「何の話?」
こっちの話

なんかしょんぼりするような。面白いような
「哲学畑やってる人が意外と良く考えてる?」
だね。学生さんでも色々勉強してるね。追いつくの大変そう
「追いついていく気なの?」
いつも通り周辺情報から組み立てて、大元へ辿り着いていきたいと思う。ちょっとゲームが上手くなると相手の凄さが分かるって所だね。考える人としてはまだペーペーだな
「あらあら」
6ヶ月で組み上がるか不安だな。独自ルートの独学じゃ限界あるかな
「いや、別にそんな事はないと思うよ?やっぱりどういった所で人の思考した事だから学んで学べない事はない。しかし、周辺情報からくみ上げるって君らしいな」
自分の持つコモンセンスは崩したくないからな。ちょっと触りを色々やったが、結構惑わされる言動も多い。なので、やはり自分を主として周りから齧っていく。将を射んと欲すればまず馬からだ
「早いのは本読む事だよ」
それじゃ意味がないな。苦労が少ない。恥かきながらでも前に進む事に意味がある
「ポジティブだね」
今日はアレテーやるかな。学ぶ事が多いのは楽しい事も多い。六か月が長いか短いか
「アレテーか」
アレテーは徳と訳されるね
「うん。君の思う徳とはなんなんだい?」
やっぱりよく纏まってるのは儒教の五常の徳だと思うね
仁、義、礼、智、信と纏まってるのは中々秀逸だ
仁なかれば義成り立たず、義なかれば礼成り立たず、礼なかれば智に至らず、智なかれば信に至らず
と順番まで入ってると思うんだわ
「君の独自解釈か」
仁がなければ正義は成り立たない。正義がなければ礼は形骸化する。礼節を知らねば智とは言えない、智がなければ信用に足らない。上手く纏まってるだろ?
「確かにそうかもしれないね。徳目をそう分けてるのが儒教の凄い所だよ」
だよな。学生時分は南総里見八犬伝とか読んで胸が熱くなったのを覚えてる
「あれ徳目と関係あるの?」
まあ、題材だね。でも仁とかっていうのは日本語に訳すのが難しいよね。単純に博愛と訳すとなんか間違えてる気がする
「というと?」
韓信の股潜りが言い得て妙と思う
「ほうほう。韓信とな。意味違うと思うけど?」
んん-僕が読んだ漫画では誰かがならず者に絡まれるんだよ。肩がぶつかったかなんかで。そして、そこに韓信が現れるんだけど、その若者は「許して欲しくば股を潜れ」って言う訳だ
普通怒る所だけど、韓信は股を潜る。燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんやと言ったとか言わんとか
「いや最後脚色だろう」
その時、他人の為に股を潜れる韓信を凄いと思った訳だ
「君にとっての仁とはそういう事?」
そそ、中々出来る事ではない。僕はこれを仁と考える訳だよ
「史実とされる物にはそう残ってないけどね」
んんーでも、それこそが仁だろうと思う。本当の勇気も持ってるよね。これがやっぱり仁だろう
「そう言えば勇気は五常の徳に入ってないね。勇を入れるとしたらどこ?」
勇気ってどこだろうなあ。やっぱり思っても出来ない事をやるのは勇気だろうし、どこに入るんだろう。五常の徳に加えてもいい徳目だろうね。勇気をもってそれ等の徳目を行う。勇気がないとどれも実践できないよね。いい意味での番外かな?
「ナンバーゼロか」
からかってる?
「ちょっとね」

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