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残暑の時期に読みたいオススメ小説三選!

はじめに


皆さんいかがお過ごしでしょうか。Apricot Conciergeです。


未だに暑い日が続きますね。もう九月なのに。私が子供のころはここまで暑くなかった気がしております。こんなことを言ったら現代の子供たちはどう思うんでしょうかね?地球温暖化が進行した故の暑さだとでも言うべきでしょうか?

20代の私たちが今どきの子どもたちにできることは、ひょっとして昭和の根性論で暑さを乗り切る風潮を根絶することと、環境を語りつつも環境活動家の名を騙って芸術品にタマゴ投げつけるような方々にならないように教育するぐらいしかないのかもしれませんね。


前置きが長くなりましたが、今回はこんな蒸し焼き覚悟の大都会、大阪に本拠地を置く我らが近畿大学ビブリオシアターが所蔵する本を紹介させていただきます。もう秋風が吹いてもよい時期です。三冊の本を秋風代わりとして、夕涼みと洒落こみましょう。


綾辻行人著『時計館の殺人』


表紙がステキ。

夏に読みたい、鳥肌が立つほどに見事なトリックが用いられている一冊です。

『時計館』自体、綾辻行人先生の館シリーズの第5作目ですが、今までのシリーズを読んでいなくても楽しめる一冊ではないかと思っています。特に第一作の『十角館の殺人』が各方面で擦られ倒されているので「人と一緒のは……」という反骨精神のある方にもおすすめです。『十角館の殺人』も一撃で吹っ飛ばされる快感を味わえるので読んだことがない人はぜひ読んでみて欲しいですね。アレは痺れる。

なんかミステリー読んでみたいけど、面白い本が分からないって人に時計館は最適です。上下巻あってまあまあ重いんですけどね。何なら一冊簡潔で魅力的な設定でオチも個人的に最高のシリーズ第3作、『迷路館の殺人』って本があるんですけど、何故かシアターにも中央図書館にも置かれていないんですよね。つくづくこれは私への挑戦状かと。ミステリー小説だけになかなか大学図書館も粋なことしてくれるじゃないかと思う時もありました。

そういうトコもあり、大学側も「読む順番なんて無視していいんじゃね?」って言っているのでどれから読んでもまあまあ大丈夫だと思います。『暗黒館』以外は。

それでも発刊順に読んでいくのが個人的に一番だと思うのでぜひ大学図書館は『迷路館』導入をご検討ください……!

この本はDONDEN14に配架されています。テーマは『裁判長にもの申す』となっており、全体的に殺伐とした内容が多いので個人的に推してます。

「Law, Order and Common Sense」はセンスの塊
横溝&江戸川の棚。画がつよい


乙一著『GOTH』


いつまでも あると思うな 青と春

 青春っちゃ青春なんで『GOTH』です。人が死ぬタイプの青春小説ですね。短編なんでスッと読めてサッと血の気が引いてグッときます。高校生男女の日常が描かれていて素敵です。こういう青春が送ってみたかった人もいるんではないでしょうか?私は記憶にないです。個人的には恋愛関係にない男女ってとても素敵だと思うんです。なんか雰囲気いいじゃないですか。そんな男女が一緒ならそういう関係だとか決めつける田舎のおっちゃんみたいな考えは現代で捨て去るべきだと思います。本当に。とにもかくにもGOTHは素敵ミステリーですのでぜひ皆さん召し上がってみてください。特に最後の短編「声」がものっそいいです。乙一さんは端正な文を紡がれる小説家ですので非常に綺麗なオチとなっています。とても見事でした。

というわけで二つ目のオススメでした。『GOTH』はDONDEN01『文学をマンガする』に配架されています。「純文学なんて読んでられねぇ!」って人にはとてもオススメです。漫画ならおカタい本にもとっつきやすいですし、ベストセラーのコミカライズも配架されています。
筆者は流行りを知ったかしたいときによく使ってます

読みやすくした古典の特売会場


桜庭一樹著『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』


カバーが他の角川文庫と違っててよい。

 三冊目は直木賞作家の作品です。直木賞ですよ直木賞。直樹三十五に対して菊池寛が創設した賞ですよ。今では芥川賞と双璧をなす賞ですね。本屋大賞の方が書店に対して影響力があるとか言ってはいけません。プロセスと伝統に価値があるんです。今年の直木賞も発表されて話題となっていますね。とにかく本が世間で話題になるのはよいものです。

 本作品ですが、港町に住む主人公と、人魚を自称する転校生、「海野藻屑」との交流と別離を描く一冊となっています。衝撃的な結末が冒頭に開示され、その結末に向かって収束する物語はある種の儚さがあります。中学生が主人公なので在りし日の青春に思いを馳せて読むのも一興だと思います。しかし残念ながら私には思いを馳せるほどの記憶がありません。読んでて辛かった。ノスタルジーとか何も感じない。なんや俺の青春。

 話が逸れましたが、多感な時期の揺れ動く心理を丁寧に描ききっている今作には一読の価値はあると思いますのでぜひ手に取ってみてくださいね!港町も涼しげでよいです。

この本はNOAH23に配架されています。小説なのにNOAHって珍しい。
NOAH23は『言葉と文学の方舟』ということで小説がとても多く配架されいます。タイトルも粒ぞろいですので「なんか名作読みてェ~」って時に。

古今東西の名作を集めたNOAH23


おわりに

 
という訳で三冊紹介させていただきました。

 NOTE記事に慣れておらず至らない点も多いかと思いますが、たまにこうやって何か書いていこうと思っています。今後ともApricotをよろしくお願いします!

それではよい読書ライフを!!

(ネクタイの結べない元広報)



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