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東京旅行二日目(二〇二四年五月二十三日)その1

アプリ「イヤホン目覚まし時計」を利用していたが、セットした時間前に目覚める。
朝の6時過ぎ。睡眠時間は4~5時間くらい。普段とあまり変わらない。
ギシギシ音をさせながら、狭いブース内で着替える。
普段ならもう少しまどろむところだが、今は早く外の空気が吸いたい。

近所に24時間営業のおそば屋さんがある。一由そばだ。
動画サイトにたびたび出てくる結構有名なお店のようで、イカゲソ天をはじめとするトッピングに特徴がある。

大食いの自分でも、朝は蕎麦くらいがちょうどいい気がする。
天気もよかったので散歩がてらお店に向かってみる。
明るいところで見る東京の街並み。建物が高い。
札幌にも高い建物はあるし似たような場所もあるが、ずいぶん遠くまで続いている。空が狭い。
観光名所でも何でもない高いビルを思わず写真に撮ってしまう。
心が動いてしまった。仕方ない。

目的の店にはすぐに到着した。
まだ朝の七時前だが、行列ができている。
回転は速そうだし、そこまで待たされる感じでもない。
ただ、自分は飲食店の行列が苦手。
待つこと自体が好きじゃないし、食べている時に後ろの人を待たせているのも落ち着かない。この様子なら今後さらに行列は伸びるだろう。

日暮里駅前の飲食店を眺めたり、「モーニング」でお店を検索しつつ、ふらふら歩いていると、懐かしのオリジン弁当にたどりつく。

オリジン弁当は札幌の職場の近くにあったが、閉店して久しい。
昨日の夜の時点で視界には入っていたが、ひさしぶりのオリジン弁当もよかろうと、店に入って唐揚げ弁当を購入。
30%offシールに背中を押された。
想定していたことではあるが、やっていることがいつもとあまりにも変わらない。

ホテルに戻って共有スペースで食べる。
あまり広くはないが、宿泊者が無料で使えるドリンクディスペンサーがある。
コーヒーやお茶はもちろん、ジュース系もそこそこある。ありがたい。

ちなみにこのカプセルホテルは、都内の宿泊できる場所の中でも最も安い部類。
最初は7泊するつもりだった。
予約サイトのポイントやクーポンを駆使して7泊合計で10000円くらいまで価格を下げることができた。この物価高の時代に破格というかタダ同然と言ってもいい。

しかし、旅行の話を聞いた私の母親に「金出してやるから、もう少しマトモなところに泊まれ」と心配されてしまったので、3泊だけに変更した。

後半3泊はもう少しまともなホテルに泊まる予定だ。
余った1泊分については、おいおい語る。

散歩モードから観光モードに切り替えてホテルを出る。
ここからが本当の東京観光である。

午前8時を少し過ぎたあたり。
目的地は新国立劇場。「マティス 自由なフォルム」展だ。
半年くらい前から決めていた重要なイベントだが、事前予約のシステムはなく混雑していると待たされることがあるらしい。

会期終了直前の時期。それが混雑につながるのか、逆に空いているのか。
万が一、混雑していて入館できなかったら最悪だ。
あとの予定も詰まっている。
早めに出たほうが無難だと判断した。

日暮里から西日暮里駅まで歩いて、東京メトロ千代田線に乗って乃木坂駅へ向かう。

旅行の移動は全てアプリ「乗換NAVITIME」を利用して最適解を出している。
不可解な経路になった場合に、徒歩圏内の別の駅を指定すると、よりベターな検索結果が出てくることがある。
最寄りの日暮里駅ではなく、西日暮里駅から出発するのが今回の最適解だ。
東京に住んでいる人には当たり前のことだろうが、この発見が嬉しかったので書き記しておく。

だが、別の問題が発生する。
朝の八時は通勤ラッシュなのだ。
考えてみれば当然だが、長期休暇に浮かれていて頭からすっかり抜け落ちていた。
そば屋の行列も嫌がるような人間が、どうしてわざわざ旅行先で満員電車を体験しなくてはいけないのか。
今さら後戻りする気にもなれず、これも経験だとギシギシの満員電車に乗り込む。

札幌でも同等の満員電車は体験しているが、それが気休めになる道理はない。
加えて札幌で私が体験する満員電車は、せいぜい10分くらいだが、今回は倍くらい乗っていなければならない。

本当に、心の底から、不快だった。

8時半くらいに乃木坂駅に到着する。
東京の手厳しい洗礼を浴びてすでにぐったりしている。

国立新美術館を見上げる。
もちろん、あらかじめ各種WEBサイトで、その独創性全開のデザインを見ていた。
しかし、芸術作品において物理的な大きさというのはかなり重要な要素である。
特に建築においては現地に行かないと感じ取れないことが多い。

結果から言うと大満足だった。超かっこいい。
行ってみたらちょっと古びてるなとか汚れているなとか、そういうのが全くない。
実際、あったのかもしれない(ないはずはない)が、情宣素材とのイメージギャップがほとんどないというのはすごいことだ。

しかし、ここでも問題がある。
中に入れないのだ。
理由は簡単。朝の8時半だからである。
展覧会は10時から。
少しは早く入れるのかなと思っていたけど、開館も10時。

時間をつぶせそうなお店を探すが見つからない。
というか、乃木坂駅の周辺、コンビニひとつ見つけられない。
東京都港区と言えば、東京都のど真ん中だろう。
そんなことがあっていいのか。

さすがに1時間半もその場で待っているわけにもいかず、一番近いと思われる営業中のカフェ「ブルーボトルカフェ」に移動する。結構歩いた。
紅茶を飲みながらパソコンを開いてブログの記事を書いたりする。

文章を書いていれば時間はあっという間だ。
ただでさえ、これから無数のコンテンツに身をゆだねるのだ。
どんどん書いて行かないと追いつかない。

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