臨床推論 Case6
Am Fam Physician. 2021 Jun 1;103(11):691-692.
PMID: 34060790
【症例】
26歳
【主訴】
線状の皮疹
【現病歴】
⚫︎ 4日前から左前腕に皮疹が出現した
⚫︎ 皮疹は若干赤みを帯びていた程度だったが二日前から色素沈着になってきた
⚫︎ 特に症状ない 痒みや痛み、熱や筋痛などはない
⚫︎ 接触性皮膚炎の既往なく、最近の暴露や旅行はない
⚫︎ 皮疹は以下の通り
What’s your diagnosis?
【診断】
phytophotodermatitis
【考察】
⚫︎ フロクマリン化合物(植物に含まれる有機物質)が皮膚について光を浴びると生じる
⚫︎ 柑橘系のフルーツ(ライム、レモン、オレンジ、グレープフルーツ)やセロリ、パセリ、にんじん、イチジクなど
⚫︎ たいていアルコール飲料で生じるので“the other lime disease”や“margarita dermatitis”というニックネームがある
⚫︎ 観光地で春や夏にも起きうる
⚫︎ 暑く、湿気が強くより日光が多いところでは光反応が強くでやすい
⚫︎ 暴露の物質や暴露量によって臨床像は様々である
⚫︎ 暴露数分で発症しピークは48時間後である
⚫︎ 典型的には境界明瞭な紅斑で水疱を形成する
⚫︎ 診断は病歴と皮膚所見である
露光部のみに生じる
⚫︎ ”かゆみがない”という点が接触性皮膚炎との違いである
⚫︎ 基本的にはcoolingなど対症療法である
もちろん暴露物質は洗い流す必要がある
原因物質に暴露しないよう指導する
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