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周りからどう見られるか:自分の本心に従う決意と難しさ #18

今日は先日あった些細な出来事から考えたことを書き残したいと思います。


雨が激しく降る会社からの帰り道、路肩に千円札が数枚落ちているのを発見。

あまり深く考えることなく、お札を横目に通り過ぎようとしましたが、その前方にも、千円札や五千円札が固まりで数か所に落ちていたため、「この額は放置していると良くない!」と思い、慌てて全て拾い上げた。

雨で濡れた札束を握りしめ、「そういえば、持ち主が現れなかったら、拾った人が受け取れるルールやったっけ?」と考えながら、近くの交番に届けるため、歩き始めました。

法律ではどういう決まり?

このように、偶然道端で落とし物を発見した時、ひとまず交番に届けに行くと思いますが、法律でどのように取扱いが決まっているのか、僕は全く知りませんでした。

そこで、実際に調べてみたところ、「遺失物法」という法律に定められていました。

(拾得者の義務)
第四条 拾得者は、速やかに、拾得をした物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。

遺失物法(一部抜粋)

簡単に解釈すると、「落とし物を拾ったら、持ち主か警察に届けてね。」という意味です。

持ち主が現れたら?

次に、落とし物を警察に届けた後、持ち主が現れた場合、こちらも「遺失物法」に定められていました。

(報労金)
第二十八条 物件(…省略…)の返還を受ける遺失者は、当該物件の価格(…省略…)の百分の五以上百分の二十以下に相当する額の報労金を拾得者に支払わなければならない。

遺失物法(一部抜粋)

簡単に解釈すると、「落とし物をした人は、拾ってくれた人に落とした物の価格の5~20%を支払わなければならない。」という意味です。

ちなみに、僕はこのような権利が拾った側にあることを今回初めて知りました。
拾った人にはなかなか強い権利があるんだなと感じます。

持ち主が現れなかったら?

最後に、持ち主が現れなかった場合は、「民法」に定められていました。

(遺失物の拾得)
第240条 遺失物は、遺失物法の定めるところに従い公告をした後3箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを拾得した者がその所有権を取得する。

民法(一部抜粋)

簡単に解釈すると、「3ヶ月以内に落とし主が現れなかったら、拾った人が受け取れる。」という意味です。

正当な権利だったけど、、、

これらの法律の内容からすると、僕が冒頭に考えていた「そういえば、持ち主が現れなかったら、拾った人が受け取れるルールやったっけ?」というものは、正当な権利ということが分かります。

そして、僕は交番に入り、雨でびしょ濡れになった札束を届けました。
早速警察官の方々が、ニュースで見る証拠品を並べるように、お札を並べていきます。

交番内は、僕と警察官3名の静かな空間でしたが、そこで警察官の方々から、

「あなたは、このお金の持ち主が現れた場合、一部を請求することができますが、権利を主張しますか?」

「あなたは、このお金の持ち主が現れなかった場合、受け取る権利を主張しますか?」

と聞かれ、

僕は、警察官の方々からどう思われるか(欲深く見える、善良に見えるなど)を気にして、咄嗟に、

「そんなのいいです!全ての権利要らないです!」

と答え、交番を後にしました。

本心と異なる行動をしてしまったことが悔しい

交番からの帰り道、僕は、「権利を主張せずに帰ったことは、がめつくなくて良かったかな。」と考えていました。

が、「最初落とし主が現れなかったら受け取れる権利を主張する気でいたな…。」と思い返し、自分が取った行動を後悔しました。

法律で定められた権利であり、自分の本心でも権利を主張しようと考えていたにも関わらず、今回の場合は警察官の方々からどう見られるかを気にして、自分の行動を変えてしまったなと思います。

拾った金額に関わらず、周りの目を気にして、自分の行動を本心とは異なる方向に変えてしまったことが悔しくてなりませんでした。

このように周りからどう見られるかを咄嗟に考え、自分の行動を変えてしまったことが、これまでの生活でも所々あったと感じています。

今回のように、選択した行動はどちらが正しいというものはない(主張する権利も、放棄する権利もある)にせよ、人生では、自分の本心に従った行動を積み重ねたいなと感じました。

「言うは易く行うは難し」の一例だと思いますが、その意思は常に持ち続けたいです。

ここまでお読み頂きありがとうございました。


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