書籍レビュー:公認会計士が監査法人を独立したら何をするのかがわかる本『マンガでわかる公認会計士‐松本翔の事件簿‐』
せっかく資格をとったのだから、監査法人である程度経験を積んだら将来は独立をしよう! と思っている人は少なくないのではないでしょうか。
なんと言っても一国一城の主ですから。代表を目指す! というのはなかなか夢のある話です。
ところで、公認会計士は独立すると何をするのでしょうか? 仲の良い先輩がすでに独立しているという人は、どのような業務を行っているのか、話を聞いたことがあるかもしれませんね。
大まかなイメージとしては、資格を取るとまず監査法人に就職します。周りは会計士だらけの職場で、やることは狭く深くの専門特化型です。一方、独立すると、広く浅く何でもこなす感じに変化します。
まるで、浮き輪を持たずに大海原に放り出された感じです。なかなかハードル高そうな感じですよね(汗)
「えっ、今まで経験したことがないことばかりで、独立は無理……」と諦めてしまいますか?
もし良かったら、その前に本書を読んでみてください。
今回ご紹介する書籍、『マンガでわかる公認会計士‐松本翔の事件簿‐』(株式会社大洋図書、監修者松本翔)は、これから会計士になろうとする人だけではなく、将来独立を考えている会計士の人にとっても、役に立つ内容になっています。
独立会計士になったら、何をするの? 業務の一部をマンガで紹介
かくいう私も独立会計士の経験があります。
といっても、友達に頼まれて非常勤監査(監査を受託している知人から頼まれて日当をもらって監査をする仕事)をしていただけなので、やっていることは基本的に監査法人にいる頃と変わりませんでした。独立会計士と胸を張って言えるような感じではありません(泣)
ただ私がやっていた非常勤監査は、なかなかいい金額の日当がもらえるので、クライアントが増えて事業が軌道に乗るまでの一定期間の貴重な収入源になります。独立して最初の仕事として、非常勤監査を経験する人は多いと思います。
(会計士同志の貴重な人脈づくりにもなるので、事業が軌道に乗ったあとも非常勤監査を続ける人もいますが。)
本書では、わたしのようななんちゃって独立会計士ではなく、一国一城の主としてしっかり独立した、やり手会計士『松本翔』が主人公です。
CASE1 ”街”の花屋と”町”の花屋
CASE2 帳簿の素顔
CASE3 見えない資産
CASE4 薔薇色のどんぶり
CASE5 疑惑の対立
CASE1の主な内容は「起業と資金繰り」、CASE2は「粉飾決算」、CASE3は「M&AとDD」、CASE4は「経理部員が突然やめてぐちゃぐちゃになった経理の立て直し」、CASE5は「監査で見つけた虚偽記載」がテーマになっていて、これらがマンガで紹介されています。
一般的に独立すると税理士登録もして、税務も同時に行う人が大勢いますが、この本は会計士業務に焦点を当てて書かれています。
これを見ると、独立会計士ってこんな感じなのね、とざっくりとしたイメージを持つことができるので、読んで見る価値アリです。
ちなみに、Kindle Unlimited会員に契約していると無料で読めるのも手軽で良かったです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?